触れることが好奇心を喚起する
(1)同じ体積の立方体でも重さはだいぶ異なる。手にしてみることで、岩石の密度の違いが実感できる(写真提供:海城中学高等学校) (2)物理実験室前のショーケースには新旧さまざまな実験器具が並べられ、昔の実験の様子も感じ取れる (3)生物実験室では通称「ホネ班」による骨格標本が作成中 (4)小部屋にはアオダイショウなどさまざまな生物が飼育され、生物部員は交代で1年中面倒を見る (5)ドラフトチャンバーも十分に設置されている (6)小グループごとの実験準備も万全な化学実験室
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科目ごとに異なる実験室の内容

――では、教室を拝見して参ります。1階には地学の実験室がありますね。

山田 全部で9つある実験室は48人収容で、ホワイトボードやプロジェクターは全教室に備えています。科によってそれぞれ独自にレイアウトしており、テーブルの形状や設備も異なります。

 地学実験室の後ろに一辺10センチメートルのキューブが並べてあります。岩石も種類によって重さが全然違うことを実際に手にすることで感じられます。⼀番左のものは片手では持ち上げられないかもしれません。

――ほんとに重いですね。これはなんですか。

山田 ステンレスです。花崗(かこう)岩、閃緑(せんりょく)岩、斑糲(はんれい)岩という3種類の深成岩とともに鉄を並べています。斑糲岩よりもさらに密度の高い火成岩の橄欖(かんらん)岩を北海道まで採取に行って、自動車で持ち帰った先生もいます(笑)。体積が1000立方センチメートルですので、重さを量ればすぐ密度に換算できます。このような展示は、地球内部の密度成層について考えるきっかけになると考えています。

 コロナのせいで、まだ岩石カッターがアメリカから届いていませんが、岩石処理室にはグラインダーも新たに設置しました。岩石を切断するだけでなく、0.03ミリメートルの岩石薄片を自分で作製することもできます。多摩川などで自ら拾ってきた石がどのような組成になっているのか、偏光顕微鏡で同定してみることも容易になりました。中1や中2の生徒は化石や鉱物が好きですから。

――北海道まで⾏ってしまう先生も熱心ですね。

山田 1階の隣には物理、2階には生物、3階には化学の実験室があります。科によって授業の仕方も異なります。例えば生物では教員の顕微鏡下の画像が見やすいように天井から複数のモニターをつるしてあります。恒温室もあるので孵化(ふか)培養実験もできますし、クリーンベンチも設置されています。化学実験室などにはドラフトチャンバーが合わせて8台も設置されています。

 中1から高1はMacBook Airを、高2と高3はiPadを全生徒が活用しています。デジタルデバイスは「情報」教科だけでなく、他教科の授業でも利用しています。例えば地学では、iPadで撮影した月までの距離と大きさを求める実習をしたり、アサリの貝殻をノギスで測定し、殻長・殻高・殻幅をエクセルに入力してグラフに示したりといったことを実際に行っています。