池上正樹
自治体が「中高年ひきこもり層」も含めた生活困窮者自立支援制度の事業に取り組むようになって、これまで見えなかった地域の孤立者たちにつながり、アプローチできるようになった。そんな神奈川県座間市の「断らない相談支援」が注目されている。

「引きこもり」経験のあるプロたちと実践した「心のスタイリング」で、憧れのアパレル会社に採用された女性がいる。引きこもり生活を送る多くの人が自分を表に出せないなか、心の殻を破り華やかな世界へ入るまでに、どんな心境の変化があったのか。

第51回
東日本大震災で、児童74人が死亡・行方不明となった宮城県石巻市立大川小学校。その遺族が市と県を訴えた大川小裁判の控訴審が、23日に結審した。関係者をして「和解は難しい」と言わしめるこの裁判、原告が本当に伝えたかったこととは?

厚労省は18年度、「就労準備支援・ひきこもり支援の充実」費として、新たに総額13億円を来年度予算案に計上した。支援は4つの柱で成り立つ。引きこもり当事者たちにとって、人生の道筋を示すことができるのか。国や自治体の「本気度」を分析する。

『ひきこもり新聞』紙上で『こもりん。』という4コマ漫画を連載してきた「引きこもり」経験者の女性スタッフが、これからフリーランスとして漫画家を目指す。そもそも彼女が引きこもり生活を抜け出したのは、大震災後の並々ならぬ決意によるものだ。

従業員の半数をフリーターやひきこもり経験者が占める上場企業がある。彼らが取り組むのは、ゲームなどの機器の不具合を探し出す「デバッグ」という作業だ。はじめは挨拶もできなかった人が、職場でリーダーになっていく。彼らにどんな奇跡が起きたのか。

引きこもる子と親の高齢化が進み、親亡き後に残された子が、情報やノウハウのない中で課題を解決できずに生きていけなくなる。親子が80代(70代)と50代(40代)を迎え、万一の事態になって直面する、そんな「80-50(70-40)」問題の現実を直視しよう。

引きこもる人たちを講師にして在宅プログラミング講座を始めた運営会社が、彼らを雇用して一緒に新たな会社設立を検討している。実は、「引きこもり」には潜在能力が高い人たちが多い。彼らをうまく社会とつなげようとする、社長の思いとは?

今の苦しい生き方を変えるには、どうすればいいのか。生きづらさを抱えた一般の人たちにも共通する悩みを解決するための本が、この度引きこもり当事者によって出版される。人生を諦める前に一度は読みたい本の「中身」とは?

引きこもっていたある40代の男性は、父親と口論した翌日に警察に逮捕され、a新たに得た職も失ってしまった。医療保護入院で閉鎖病棟にいる彼は、退院後の生活に強い不安を感じている。どうしてこうなってしまったのか。

長年“空気”のように周囲を気遣い、人目を避けて生きてきたという、地方在住の30代男性がいる。あるとき気づいた。自分は「引きこもり」なのだと。HSPという症状に悩まされる彼には、どんな人間関係が足りなかったのか。

今、全国の引きこもり状態の女性たちから開催を熱望されているのが、「ひきこもり女子会」だ。参加する女性たちは、互いの境遇に共感し合えるだけで変化を起こす。彼女たちは女子会で何を吐露し、自己変革を遂げて行くのか。

「ひきこもり専門外来」を開設し、驚異の回復支援プログラムで知られる医師が活動を全国に広げるという。平均5年以上引きこもる人でも、半年以内に84%が外に出てくるというのだ。その支援プログラムとはいかなるものだろうか。

長年、引きこもってきた48歳の男性が「喉頭がん」のために亡くなった。両親にも病名や余命を伝えようとせず、病院も「個人情報だから」という理由で家族にさえ説明を拒んだ。個人が救われる仕組みは、この国にあるのだろうか。

岡山県総社市は、一般の市町村では全国初となる「ひきこもり支援センター」を開設した。しかし、支援センターで把握できる引きこもりの実態は限られており、地域に埋もれている支援ニーズをどうすくい上げるかが喫緊の課題だ。

患者が精神医療に対して物申す場は必要である――。長年、患者を経験してきた立場から、精神医療に対する問題意識を社会に発信しようとしている引きこもり当事者がいる。かつて通った医療で精神療法の闇を垣間見たのである。

首都圏の郊外の自宅に引きこもっていたある青年は、ある日突然、自立支援施設に連行され、3年以上にわたって“監禁”状態に置かれた。脱走しようとすると、血が出るまで殴られる。今、そんな暴力的な支援が増えているという。

引きこもる中高年の多くは、過去「いじめ」に耐え続けた経験があるのではないか。子どもの頃にいじめを受け、大人になってからもその記憶から逃れられずに引きこもってしまったある男性が、自身の壮絶な半生を告白する。

子どもの頃から15年ほど引きこもり、強迫性障害で手を頻繁に洗わずにはいられない――。そんな20代の女性が、入院をきっかけに新しい人生を踏み出すことに成功した。彼女が「認められること」の喜びを知った出会いとは?

長期高齢化の進む引きこもり当事者の家族が窓口に相談しても、何らかの福祉サービス受給に結びついた事例は少ない一方、支援の途絶事例は増え続けている。周囲から隠蔽され、傷ついていく引きこもり当事者たちの現状に迫る。
