池上正樹
第227回
今年1年を振り返ってみると、すでに発信をしている引きこもり当事者たちが、同時多発的に社会の側とつながりを模索し始めたような年だった。そうした状況で大事になるのは、支援者が変わるための周辺づくりだと考える。

第226回
約12年にわたって引きこもった末、自立を目指して一進一退を繰り返すM君(45歳)が、12月13日、筆者と一緒に飛行機で沖縄へ渡った。そして、宮古島で引きこもる当事者と一緒に、50人余りの大勢の参加者の前で話をした。これは彼にとって大いなる進歩だ。

第225回
レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーといったLGBTを含む「セクシュアル・マイノリティー」の話題が最近、注目されている。このセクシュアル・マイノリティーが抱えさせられる生きづらさも「引きこもり」の要因の1つだ。

第43回
東日本大震災で、児童・教職員84人が死亡・行方不明となった大川小学校の惨事。これを巡り、児童遺族19家族が起こした市や県の責任を問う国賠請求等の裁判の第3回弁論が12月9日が開かれた。遺族は今回、生存教諭と当時の校長・指導主事らの承認申請を行った。

第538回
最近、学校事件・事故を検証する「第三者委員会」が注目されている。東日本大震災で児童74人が犠牲になった大川小学校やいじめが原因で子どもが自殺した事件の真相解明のため立ち上げられてきたが、遺族は第三者委員会の隠ぺい体質を強く批判する。

第224回
東京都内で11月30日、元当事者8人が次々に「引きこもり支援」のあり方を提案する「ひきこもりUX会議」が行われた。支援者として活動している彼らの提案ゆえ、体験談に終わらない具体的な対応策に溢れたが、同時に内容には課題も見えてきた。

第223回
「なぜ、いま解散なの?」と首を傾げた人も多いだろう。突然の解散総選挙に対し、引きこもる当事者や、過去の引きこもり経験を生かして活動する元当事者は、どう感じているのか。話を聞くと、失望と困惑、絶望の声ばかりが返ってきた。

第222回
講師のすべてが当事者たちという手作りのイベントが11月8日、北海道で開かれた。「ひきこもり大学」の北海道版ともいうべきイベントで、名付けて「道産こもり179大学」。先を進む講師の当事者には、引きこもり本人と家族から質問が続々飛んだ。

第221回
今、行政などが行う引きこもり支援の多くは、いわば上から目線の就業支援が目立つ。そんな現状に違和感を覚えた当事者8人が現在の「引きこもり支援」のあり方に対して、実用的な提案を行うという「ひきこもりUX会議」が、11月30日、東京都内で開かれる。

第220回
東大ら4大学は、自閉症スペクトラム障害の治療としてオキシトシンの有効性や安全性を確かめる臨床研究を進めてきた。結果、経鼻スプレーの投与で「他者との信頼関係を築きやすくなる」など効果が得られたとして臨床試験を11月からスタートする。

第219回
<ひきこもりの方へ。あなたの部屋を見せてください> そんなブログの呼びかけが、ネット上で話題になっている。ブログの発信者は、自らも「ほぼ寝たきり」の引きこもり経験がある、美術家の渡辺篤さん(36歳)だ。

第218回
北大生がイスラム国に参加するためにシリアへの渡航を準備したとされる事件。大きな衝撃を与えたが、普段から生きづらさを感じている引きこもり当事者に話を聞くと、意外な返事が返ってきた。「気持ちは分かります。自分も行ってみたいです」

第217回
初めて「ユーストリーム」というネット中継に対談の形で出演した。対談相手は、「引きこもり」や「多重人格」の当事者でもある伊藤美鳥さん。筆者は以前、ニコニコ動画にも出演したことがあるが、これらは当事者とつながる非常に有効な手段だ。

第216回
前回、当事者目線の個人活動を続ける高村孝子さん(45歳)の作成した「引きこもり6分類40タイプ」をご紹介した。今回は、同じく高村さんが作成した引きこもり度とタイプがわかる「引きこもりチェックリスト」をご紹介したい。

第215回
引きこもりのタイプを40に細分化したうえで分類し、こうした傾向を知ることによって、当事者との「心の距離が近くなるのではないか」そう語り、孤高の啓蒙を行う当事者がいる。山形県で当事者目線の個人活動を続ける高村孝子さん(45歳)だ。

第521回
幼い頃受けた性的虐待により、PTSDなどを発症したとして、最後の被害を受けてから20年以上経過した2011年4月、当時30代の女性が、親族男性に損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、札幌高裁は25日、女性の訴えをほぼ認め、“逆転勝訴”の判決を下した。

第214回
“職場のトラブルメーカー”に見られがちな「大人の発達障害」の人々。彼らは、アスペルガー症候群と注意欠陥多動性障害(ADHD)に大別できるが、いまも世間には発達障害=アスペルガーのイメージがあり、ADHDの人々は葛藤を抱えているという。

第213回
地方へ行くほど、周囲の目がきつくなる一方、安心できて、将来、社会につながっていける道筋の見える“受け皿”があまりない。島根県は、まさにそんな地方の1つであり、引きこもり家族会で唯一の全国組織である「KHJ」加盟の家族会がなかった。

第212回
<多くの方にアドバイスを頂いて、どうにか今月は乗り切ることができることが確定しました>。そう明かすのは、引きこもり当事者の目線から昨年9月「苦しみと哀しみに寄り添う会 SAALA」という団体を自ら立ち上げた吉田真樹さん(36歳)だ。

第211回
当事者たちが発案した「ひきこもりイケメン化(おんな前)計画」によって、引きこもり生活を脱した若者がいる。自らの引きこもり経験を生かして「メンタルケア・パーソナルコーチ」の活動を始めた越智孝之さん(32歳)だ。
