池上正樹
第41回
児童74人と教職員10人が死亡・行方不明となった大川小学校の惨事。これを巡り、学校が、事前の防災体制の不備や危険回避を怠ったとして児童遺族が市や県の責任を問う国賠請求等の訴訟を起こしたが、その第2回弁論が8月26日、仙台地裁で開かれた。

第210回
厚生労働省の支援事業である「地域若者サポートステーション」(愛称・サポステ)。その支援を受けたAさんに話を聞くと、かなり違和感を覚えた。なんと、50~60万円の費用を支払わせ、無給で就労をさせるというプログラムに斡旋されたというのだ。

第209回
街で引きこもり生活を送っていた青年が、劇団主宰者との出会いをきっかけに、自らの意思で「家を出よう」と決意。この9月から四国の小豆島へ劇団主宰者と一緒に渡ることになった。なぜ彼は、街から小豆島という田舎へ渡る決断をしたのか。

第208回
これまで当事者として自分に向き合い続け、「人は二度生まれる」をテーマに、ブログや講演等で発信を始めた伊藤美鳥さん。彼女はこれまで、担任教師からのいじめ、病院でのセクハラを受け、さらにはブラック企業で働くなど壮絶な人生を送ってきた。

第207回
「高齢者の貧困問題に関わっていると、その家族に引きこもり当事者が含まれることが非常に多いんです」。こう語るのは、町田市の高齢者支援センター長を務める一番ヶ瀬さん。高齢化する保護者と40代以上無職の子がこうして地域に埋もれている。

第206回
ここ最近、家族の力が弱くなってきていることにより、引きこもり当事者が福祉制度を利用せざるを得ないケースが増えてきている。その背景にあるのが親の世代交代だ。かつて大多数を占めていた団塊世代からその下の世代に移り、勢いが著しく失われている。

第205回
引きこもり、ホームレスといった声なきSOSを見つけ出し、向き合っていくという深田恭子さんが主人公を演じるNHKドラマ『サイレント・プア』。この放映後、ある女性が実際に社協に相談したところ、ドラマと全く違う対応をされ、驚いたという。

第204回
都内の会社で介護職を務めるBさんは、高齢者の介護のために訪れた家庭で、要介護者の息子や娘たちが、奥の部屋の扉を閉めて引きこもっているケースを数多く見てきたという。息子や娘たちは30代~50代。傍目から見ると「働けるはず」と思える世代の人たちだ。

第203回
「大人の引きこもり」が生まれる背景には、「自閉症スペクトラム」の人たちも数多く含まれている。この症状についてこのたび、客観的な診断基準として、現場での診療にも応用できるかもしれない「脳】に関する研究成果が発表された。

第202回
「緘黙(かんもく)」とは、不安や緊張などによって特定の社会状況になると、話をすることができなくなる状態だ。この緘黙症研究の第一人者である長野大学社会福祉学部の高木潤野講師が8日、緘黙の原因や支援方法など、最新の研究成果を発表した。

第201回
疲れが他の人より強い。外から見ると、怠けているだけにみえる。なのに検査しても異常が見られない――かねてから「引きこもり」状態との因果関係の1つとして指摘されているのが、慢性疲労症候群だ。

第200回
また「引きこもり=犯罪者予備軍」という誤解を招くネガティブイメージが流布している。きっかけは、25日に起きたAKB襲撃事件だ。<容疑者もプチ引きこもりだったらしいですね>。26日の深夜、そんなメールが当事者から寄せられた。

第199回
地方公務員の中にも、劣悪な待遇や職場環境の格差などによって傷つけられている非正規職員がいる。その多くは女性で、彼女らは、自治体によって「臨時職員」とか「日々雇用職員」などと呼ばれる“地方公務員ワーキングプア”ともいうべき存在だ。

第40回
児童・教職員84人が東日本大震災の津波の犠牲になった大川小学校。この惨事を巡り、児童遺族が県と市を相手取り損害賠償を求めた国賠訴訟の初公判が開かれた。このなかで、県と市は「やむを得なかった」として遺族と争う姿勢を明らかにした。

第198回
長年に引きこもる本人を抱え、誰にも助けを求めることができないまま、将来を悲観し、家族ごと地域の中で埋もれている家庭は少なくない。そんな助けを求めている人たちに待ち望まれているのが、厚労省の「ひきこもりサポーター派遣事業」だ。

第197回
5月4日夜、都内で初めて公開で行われた「ひきこもり大学in東京キャンパス」には、90人の参加者が全国から集まった。メンタルヘルス学部「アダルトチルドレン」学科、失業学部中高年学科、発達障害学部「地方にも都会レベルの居場所を創ろうよ」学科の3つが開校した。

第196回
「引きこもり支援」と当事者たちの思いとの間には、ズレがあるのではないか。これまで行政の打ち出してきた“引きこもり施策”が、ことごとく「失敗」するのを見てきて、そんな違和感をずっと抱き続けてきた。

第195回
引きこもりする大人にとって、クリスマスから年末年始の時期はとてもつらい。そんな話を昨年末に取り上げたところ、数多くの共感が寄せられた。そんな彼らが、ゴールデンウィークに対しても、同じような思いを抱いているという。

第194回
「引きこもりをどう終わらせるか」の方法論を巡って、これまでも様々な専門家や支援者が多くを語ってきた。しかし、経験者自らの目線や言葉からも、多くのヒントを学ぶこともできる。そんな1人が「ヒューマン・スタジオ」代表の丸山康彦さんだ。

第193回
「他人事とは、とても思えない」こう悲痛に訴えるのは、15年ほどにわたる引きこもり生活を送ってきたAさん(45歳)。Aさんが指摘するのは、80歳の母親を一酸化中毒で殺害したとして、東京都墨田区に住む45歳無職の次男が逮捕された事件だ。
