竹田孝洋
8月末のジャクソンホール会議でFRB(米連邦準備制度理事会)もECB(欧州中央銀行)も、インフレ抑制に向けて景気後退覚悟で金融引き締めの決意を表明した。しかし、市場は長らく続いたディスインフレ時代の“中央銀行プット”が忘れられないようだ。このままではしっぺ返しを食らいかねない。

6月に茂木友三郎・キッコーマン取締役名誉会長などが中心となり令和国民会議(令和臨調)が発足した。臨調立ち上げの背景、日本経済の現状や先行きに対する危機感などについて茂木氏に聞いた。

#8
アベノミクスの成果として雇用情勢改善が挙げられることが多い。しかし、改善が始まったのは旧民主党政権時代から。森田京平・野村證券チーフエコノミストは、雇用情勢の改善は人口動態の変化によってもたらされたものであり、アベノミクスの施策によるものではないと分析する。

#7
アベノミクスの下、株価上昇や株式比率引き上げなどで年金積立金の運用益は増加し、年金財政を好転させた。しかし、年金、医療、介護など社会保障の各分野における抜本的改革には手を付けないままだった。鈴木亘・学習院大学教授は、安倍政権が強固な基盤を持ちながらも制度改革に切り込まなかったことを惜しむ。

#5
8年弱にわたる第2次安倍政権下で消費税率は2度引き上げられた。歳入の基盤は強化されたものの、歳出も拡大し、財政収支の赤字は続き、政府債務残高は積み上がっていった。土居丈朗・慶應義塾大学教授は消費増税については評価するものの、歳出削減に切り込めなかった点を問題視する。

#3
黒田東彦氏が2013年4月に日本銀行総裁に就任し、国債の購入額、ETF(上場投資信託)買い入れ額などを大幅に増額した。いわゆる異次元緩和である。当時、日銀政策委員会審議委員だった木内登英野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストは「大胆な金融緩和」の有効性に疑問を呈する。

#2
2013年4月から始まった異次元緩和に代表されるアベノミクス。第一の矢である大胆な金融政策と第二の矢である機動的な財政政策で、消費者物価上昇率は14年3月には前年同月比1.6%にまで上向いた。アベノミクスのブレーンであった本田悦朗・TMI総合法律事務所顧問は、14年4月の消費税率引き上げがなければ2%の物価目標を達成できていたと振り返る。

過去最高水準のインフレが続くユーロ圏。物価抑制に向け、ECB(欧州中央銀行)は6月のFRB(米連邦準備制度理事会)に続き、事前予想を超える幅の利上げに踏み切った。

#19
コロナショック後に“モノの移動”が停滞していたところに、「米中分断」と「西側諸国と中ロとの分断」という要素が加わったことで、多くのグローバル企業がサプライチェーンの見直しを迫られている。従来の通説とは違い、「在庫を持たないこと」がリスクとなりつつあるのだ。そこで、在庫の増加幅に基づくサプライチェーン改革度ランキングを作成した。

#17
食料品や外食産業の商品の値上げが頻発している。穀物価格や燃料価格の上昇で原価率が大きく悪化し、販売価格に転嫁せざるを得なくなっている。食料品会社や小売業を対象に、値上げ切迫度を測る原価率悪化度ランキングを作成した。

#15
コロナ禍による需要低迷で赤字を計上していた企業が黒字転換するケースが増えている。そうしたV字回復をする企業の優劣を見極めるためにコロナ復活度ランキングを作成した。

#13
資源価格や穀物価格の高騰で業績回復の出鼻をくじかれている企業は少なくない。利益の伸びが抑制されるどころか減益、場合によっては赤字転落の企業も存在する。こうした出遅れ企業を選び出すために予想減益率ランキングを作成した。

#11
企業業績はコロナ禍からの回復途上にあるが、そのペースは当然ながら企業ごとに違う。追い風を活かせる企業もあれば、活かしきれない企業もある。回復ペースの速い企業を予想増益率ランキングで抽出した。

#9
今期2022年度決算は「コロナ禍からの回復」と「原材料高による収益圧迫」が綱引きをする決算となる見通しだ。採算悪化を克服して高水準の収益を上げる企業はどこか。決算に基づく六つのランキングであぶり出す。

米国もユーロ圏も8%を超えるインフレに苦しんでいる。FRBもECBも急速な金融引き締めにかじを切るが、インフレ抑制のためには景気を犠牲にすることは避けられそうにない。

上海市のロックダウンは長期化し、中国経済の成長を鈍化させている。中国政府が目標とする5.5%成長は可能なのか。中国経済のスペシャリスト5人に今後の経済見通しについてアンケートを実施した。

#8
4月以降、食料品などを中心に値上げが相次いだ。ただ、それでも企業は原材料費や燃料費の上昇を全て転嫁しているわけではない。転嫁できない分は業績の圧迫要因となり、経済成長の足を引っ張る。スタグフレーション懸念も拭えない。エコノミスト11人への緊急アンケートに基づき物価と成長率の見通しを検証する。

#7
3月を皮切りにFRB(米連邦準備制度理事会)は年内に2%超の利上げに踏み切る見通しだ。長期金利も3%に近づいている。米国株は利上げに耐えられるのか。株価には逆風となる金利上昇を相殺する材料はあるのか。米国株のスペシャリストの見解を披露する。

#11
日本銀行は長期金利である10年物国債利回りを0.25%以下に抑制するために、毎営業日、0.25%で国債を無制限に買い入れる指し値オペを実施する。この施策は足元の円安進行の誘因となった。山口廣秀・日銀元副総裁は、連日の実施に対して疑問を呈する。金利抑制策に疑問を抱く理由と、その背景にある異次元緩和策のメリット・デメリットについて聞いた。

#6
2021年9月下旬に3万円を割り込んで以降、日経平均株価は3万円を回復していない。強気派のストラテジストは米国の金融引き締めや、ウクライナ危機の長期化の公算など懸念材料を消化して23年3月に向け3万円を超えていくとみる。そのシナリオを点検する。
