千葉敏生
MMT信者がインフレ期に決まって口にすること
インフレが実際に姿を現わすと、MMTの支持者たちは、インフレ全般を抑制するかわりに、より問題のある分野(最たる例はエネルギー分野)の需要を制限するか、供給を押し上げることが解決策になる、と主張することが多い。

デフレしか念頭のない世界に、インフレが帰ってきた
インフレの再来は、世界経済の発展にとって一種の分水嶺といえる。この30年間の大半の時期を通じて、政策立案者と投資家はいずれも、デフレの危険性のほうにずっと目を光らせていた。

インフレ期に値上がりする資産・値下がりする資産
インフレ期には、いわゆる「実物資産」に投資するのが最善策である、という主張をたびたび耳にする。この主張は正しいが、あくまでも相対的な意味での話だ。それはインフレが債券や現金に対して及ぼす壊滅的な影響を物語るものであって、その他の資産の絶対的なメリットを物語っているわけではない。

インフレは「勝ち組」と「負け組」を気まぐれに生む
短期的な政治的観点から見れば、インフレは一種の逃げ道とみなすことができる。いわば、貯蓄を持つ人々に対して「こっそりと」課税する手段だといっていい。

なぜインフレ下だと高級外車が爆買いされるのか
「車好き」たちにとっては、急速に価値が目減りしていく国内通貨の上に座して待つよりは、少しずつしか価値が目減りしていかない外国資産を保有しているほうが得策だった。何がなんでも「富」を守りたい人々にとっては、洗濯機や高級車を貯蔵するのは魅力的な選択肢だったのだ。

#14
台湾の半導体工場が稼働を停止すれば、翌年生み出される計算能力は37%減少する。コロナ・パンデミックよりも、ずっと甚大な損失が生じる可能性がある――。半導体を巡る国家間の攻防を描き、週刊東洋経済の「ベスト経済書・経営書2023」にも選ばれたクリス・ミラー著『半導体戦争』では、最先端技術を巡る米中の対立を浮き彫りにしている。世界秩序を一変させかねない半導体の覇権争いで何が起きているのか。

#13
中国には競争力のある半導体を生産する能力はないに等しかった。中国政府は技術を手に入れるため、アメリカ企業に強権を振るい、圧力をかけた――。半導体を巡る国家間の攻防を描き、週刊東洋経済の「ベスト経済書・経営書2023」にも選ばれたクリス・ミラー著『半導体戦争』では、最先端技術を巡る米中の対立を浮き彫りにしている。中国が半導体産業の育成に注力する背景に迫る。

#12
米エヌビディアが自社工場を建設しなくてすんだのは幸いだ。起業の段階で、自社工場に必要な資金を調達するのはおそらく不可能だっただろう――。半導体を巡る国家間の攻防を描き、週刊東洋経済の「ベスト経済書・経営書2023」にも選ばれたクリス・ミラー著『半導体戦争』では、半導体のビジネスモデルを変革した台湾TSMCの影響力を浮き彫りにしている。半導体のファブレス革命は、エヌビディアやクアルコム、アップルなどの米大手テック企業にどんな恩恵をもたらしたのか。

#11
米インテルはEUVリソグラフィ装置を市販化し、量産できる企業を探し始めた。アメリカにそんな企業は存在しない、というのが同社の出した結論だった――。半導体を巡る国家間の攻防を描き、週刊東洋経済の「ベスト経済書・経営書2023」にも選ばれたクリス・ミラー著『半導体戦争』では、最先端の半導体露光装置の製造がたった1社に独占されていく背景も深掘りしている。露光装置の分野で世界をリードしていたキヤノンやニコンはなぜオランダのASMLに敗れたのか。

#9
日本の猛攻を受けて米企業がDRAM事業から続々と撤退する中、「ミスター・ジャガイモ」は本能的に、参入する絶好のタイミングが来たと悟った――。半導体を巡る国家間の攻防を描き、週刊東洋経済の「ベスト経済書・経営書2023」にも選ばれたクリス・ミラー著『半導体戦争』では、日本が半導体の世界王者から凋落していく姿も詳解している。米国はどうやって日本の半導体産業に勝利したのか。

#8
原油と同じで、半導体なしで生きていくことなど不可能だった。米国が「半導体産業のサウジアラビア」になりつつある日本を憂慮するのは当然ではないか――。半導体を巡る国家間の攻防を描いた世界的ベストセラー、クリス・ミラー著『半導体戦争』では、1980年代の日米半導体戦争も手厚く解説している。米国が半導体産業での日本の躍進に警戒感を強めていく舞台裏を描く。

#7
電子機器にこそ世界経済の未来がある。小型で電力消費の少ないトランジスタは、まちがいなく家電製品に革命を巻き起こす、と盛田昭夫は悟った――。半導体を巡る国家間の攻防を描いた世界的ベストセラー、クリス・ミラー著『半導体戦争』では、電子立国と呼ばれた日本の隆盛と凋落も浮き彫りにしている。ソニーやシャープを急成長させた半導体の家電革命を描く。

#5
「こいつは世界を変えるぞ」。1972年、ロバート・ノイスは両親の結婚50周年記念パーティーで、シリコン・ウェハーを高く掲げて宣言した――。半導体を巡る国家間の攻防を描いた世界的ベストセラー、クリス・ミラー著『半導体戦争』では、時代とともに半導体の重要性が高まっていく歴史も詳述している。米インテルが起こした半導体革命は、コンピューティング産業を、そして米国の国家全体の命運を変えようとしていた。

#4
【図解】なぜ半導体は一大産業に成長したのか、黎明期を支えた挑戦者【『半導体戦争』ビジュアル入門】
現代社会に欠かせない半導体も、ビジネスとして成立するまでには長い年月がかかった。なぜ半導体は一大産業へと成長することができたのか。半導体の黎明期に活躍した挑戦者たちを描いたクリス・ミラー著『半導体戦争』第1部のダイジェストを、ビジュアル図解でお届けする。

#3
1957年10月4日、「集積回路を購入してくれるのは誰なのか?」という疑問への答えが、米カリフォルニアの夜空を駆け抜けた――。今や大国が覇権を争う半導体も、買い手がいなければビジネスとして成立しなかった。半導体を巡る国家間の攻防を描いた世界的ベストセラー、クリス・ミラー著『半導体戦争』では、半導体と軍需産業の密接な関係も詳述している。半導体の黎明期を支え、一大産業へと成長させた挑戦者たちをひもとく。

#2
【図解】なぜ半導体は原油を超える世界最重要資源なのか【『半導体戦争』ビジュアル入門】
なぜ米国と中国は半導体を巡って激しく対立しているのか。なぜ半導体は原油を超える世界最重要資源なのか。半導体の覇権争いの最前線を描いた世界的ベストセラー『半導体戦争』の序章のダイジェストを、ビジュアル図解でお届けする。

#1
半導体は原油を超える「世界最重要資源」だ――。最先端技術を巡る米中の対立は激化の一途をたどり、日本も国家戦略で半導体産業の再起を図る。なぜ半導体がここまで関心を集めているのか。その背景に迫ったのが世界的ベストセラー、クリス・ミラー著『半導体戦争』だ。米国と中国は、半導体の覇権を巡ってなぜここまで激しく争うのか。

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