
夫馬賢治
アメリカでは、民主党の支持基盤が安定しなくなった。ヨーロッパでも、リベラル政党の支持が薄まってきた。そして、日本でも同様に労働組合や低所得者層が、共産党、社民党、立憲民主党から距離をおくようになった。なぜ、これほどまでのリベラル政党離れが起きているのだろうか。そして、リベラル政党から離れていく人々は、どこに向かうのか。昨今、受け皿の役割を果たすようになってきているのが「陰謀論」だ。

環境問題への経済認識に関して、歴史的には、オールド資本主義と脱資本主義の衝突という構図がはっきりとあった。オールド資本主義側にいたのはグローバル企業と機関投資家で、環境問題に対処することは経営コストだとみなしていた。一方、脱資本主義側にいたのが、環境NGO、農家、労働者だ。だが最近、経済認識の対立構造は複雑化している。その変化の一端を、オランダで畜産農家が大規模デモをした理由からみていこう。

従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資を指す「ESG投資」が注目されている。はたして本当に、投資家にとって高いリターンにつながるのだろうか。
