山本譲司
ソマリアで海賊→捕まって府中刑務所に懲役10年…心を閉ざした青年が鼻歌をした意外なきっかけ
無政府状態となり社会が崩壊したソマリアでは、住民の多くが生きるために海賊に身を投じた。小さな高速ボートに乗りロケットランチャーなどで脅して停めさせ、タンカーや貨物船を乗っ取る。そして船会社から身代金を取るのだ。そんな海賊の1人が、府中刑務所に収監され、処遇困難な受刑者が集まるエリアで心を閉ざして生きていた。

「先生のアホ!娘と別れんの、絶対嫌やー」獄中出産したわが子と引き離される、女性受刑者の現実
収監された女子受刑者が妊娠していた場合、刑務所では出産のサポートを実施している。破水した受刑者は手錠と腰縄を打たれて車に乗せられ、刑務所外の産科病院へ急ぐ。助産婦、看護婦、そして刑務官に見守られながら生を受けた子供は元気に泣き、母も喜びの涙を流した。だが、母子がともに過ごせる時間はわずかだった……。

「人の命もてあそぶんも、いい加減にしやー」ガンで吐血した死刑囚、死刑執行の緊迫現場
雇用主の社長夫妻を監禁したあげく刺殺した男は、事件の7年後、59歳で死刑執行されることになった。それを告げられた彼は、「人の命、弄ぶんも、いい加減にしやー。どうせ殺すんやったら、病気、治さんでも良かったがー」と激しく抵抗した。死刑執行のために癌治療を受けさせられた男の言い分に、理はあるのだろうか。
