【4月の株主優待の内容&利回りを調査(2024年版)】伊藤園や正栄食品、ヤーマンなどの人気銘柄に加え、優待復活の柿安本店、新設のQUOカード優待株も紹介

◆1月～12月までのお得な株主優待の内容はココでチェック！◆

2024年4月に権利が確定する株主優待の中から
注目すべきお得な銘柄＆株主優待内容を徹底調査！

　4月の株主優待は全部で約30銘柄で、優待を実施する企業が非常に少ない月の一つ。しかし、伊藤園第1種優先株式（25935）や正栄食品工業（8079）などの定番銘柄に、ヤーマン（6630）やアイ・ケイ・ケイホールディングス（2198）といった配当＋株主優待利回りが5％超の高利回り銘柄など、注目すべき銘柄も多い。

　しかも今回は、柿安本店（2294）の株主優待の再導入をはじめ、見逃せないニュースが複数ある。全体の銘柄数が少ない月だからこそ、株主優待の内容や利回りのほか、業績や株価動向などもしっかり見極めて、目当ての株主優待銘柄を絞り込もう！
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株主優待を再導入の柿安本店、高利回りのヤーマンほか、
買い物や飲食がお得になる株主優待券がもらえる人気5銘柄！

　まずは、買い物や飲食に使える各種優待券を株主優待品としている銘柄の中から、優待内容や利回り、使い勝手などで選んだ押さえておきたい5銘柄をピックアップした。

■外食や買い物などがお得になる株主優待券の人気5銘柄！
最低投資 金額	株主優待＋ 予想配当利回り	株主優待利回り	予想配当利回り	詳細情報
◆ヤーマン（6630） 【確定月】4月
9万9700円	5.92%	5.02%	0.90%
【株主優待内容】 100株で5000円分、500株以上で1万4000円分の株主優待券
【備考】自社直販Webサイト、及び銀座・なんばの直営店で利用可。。長期保有優遇制度があり、1年の継続保有で100株は7000円分、500株以上は1万7000円分に、2年で100株は1万円分、500株以上は2万円分に、5年以上なら100株は1万3000円分、500株以上は2万3000円分に増額
◆柿安本店（2294） 【確定月】4月
28万8500円	3.30%	0.35%	2.95%
【株主優待内容】 100株で1000円分、300株で3000円分、500株で5000円分、800株で8000円分の株主優待利用券。1000株で1万円分の「柿安グルメフリーチョイス券」。2000株で合計1万8000円分、3000株以上で合計2万5000円分の株主優待利用券＋「柿安グルメフリーチョイス券」
【備考】今回から株主優待を再導入。株主優待利用券はレストラン、惣菜・和菓子取り扱い店舗で利用可（一部店舗を除く）。柿安グルメフリーチョイス券は、1万円相当の5種類の品から1品を選択。長期保有優遇制度があり、2024年4月末を基準に2年以上の継続保有で、保有区分ごとに500円分の株主優待利用券を追加
◆エイチ・アイ・エス（9603） 【確定月】4月／10月
17万7500円	2.81%	2.25%	0.56%
【株主優待内容】 100株で2000円分、500株で4000円分、1000株以上で6000円分のHIS株主優待券。他に、100株以上でラグーナテンボス入園割引券500円分（最大5名まで利用可）
【備考】自社及び指定の旅行代理店で、1名の旅行価格が1万2000円以上で1000円分、2万4000円以上で2000円分を利用可。株主優待利回りはHIS株主優待券分のみで計算
◆テンポスホールディングス（2751） 【確定月】4月
34万6000円	2.60%	2.31%	0.29%
【株主優待内容】 100株以上で、1000円分の食事券を8枚
【備考】食事券は、「ステーキのあさくま」などあさくまグループの各店舗、及び協力企業の店舗、自社グループ通販サイトで利用可
◆ギフトホールディングス（9279） 【確定月】4月／10月
30万6000円	1.24％	0.65％	0.59%
【株主優待内容】 食事優待電子チケットを、100株で1枚、200株で2枚、400株で3枚、600株で4枚、1000株以上で5枚
【備考】「町田商店」「豚山」など自社グループ直営店舗で、券売機メニューから1品を選択可。「豚山オンラインストア」で1000円分の割引クーポンとの交換も可能。株主優待利回りは、割引クーポンの価格から計算。長期保有優遇制度があり、1年以上の継続保有で区分ごとに株主優待割引券を1枚追加
※株主優待内容、最低投資金額、利回りは3月15日終値時点。

　柿安本店（2294）は、2021年2月を最後に株主優待の制度を廃止していたが、今回から約3年ぶりに株主優待を再導入する。株主の日頃の支援に対する感謝と、中長期的に保有する株主を増やしたいというのが再導入の理由だ。「KAKIYASU DINING」などデパ地下の惣菜店をよく利用する人にとって、再導入はうれしいニュースと言えるだろう。

　株主優待品は保有株数によって異なり、100株の保有で500円分の「株主優待利用券」を2枚、300株で6枚、500株で10枚、800株で16枚もらえる。また、1000株保有すると1万円分の「柿安グルメフリーチョイス券」がもらえる。2000株以上では「株主優待利用券」と「柿安グルメフリーチョイス券」の両方が株主優待品となり、2000株では1万円分の「柿安グルメフリーチョイス券」＋500円分×16枚の「株主優待利用券」、3000株以上は1万円分×2枚の「柿安グルメフリーチョイス券」＋500円分×10枚の「株主優待利用券」となっている。

　さらに、長期保有の優遇制度もあり、2024年4月末を基準として2年以上の継続保有で、各区分につき500円分の「株主優待利用券」1枚が追加される。

　最低投資金額は28万8500円（3月15日終値で計算、以下同）で、配当＋株主優待利回りは3.30％。利回り的にはまずまずの水準と言えそうだ。

　外食系では、テンポスホールディングス（2751）もチェックしておこう。100株以上でもらえる8000円分の食事券は、自社グループの「ステーキのあさくま」などに加えて、資本関係のない全国の協力店舗約950軒でも利用できる。協力店舗はステーキ店、居酒屋、和食・日本料理などが多いというが、ラーメン店やカフェなどで利用できるところもある。さらに、食事券は自社通販サイトの「あさくまファーム」でも利用できるので、近くに店舗がないという人も心配は無用だ。

　また、家系ラーメンの「町田商店」などを展開するギフトホールディングス（9279）の食事優待電子チケットも、店舗と自社通販の両方で使用できる。自社通販の「豚山オンラインストア」では1000円分の割引クーポンとの交換になり、配当＋株主優待利回りは1.24％。一方、「町田商店」や「豚山」などの自社グループ店舗では、券売機メニューにあるどれでも好きな商品を1品選択可能だ。そのため、メニューによって利回りは変わってくる。仮に、「町田商店」でもっとも高いネギチャーシューメン（1210円）を選ぶと、配当＋株主優待利回りは1.38％で、割引クーポン選択時より少しだけ利回りがアップする。

　買い物系銘柄では、美顔器やヘアケアグッズ、スキンケアアイテムなどを扱うヤーマン（6630）のお得度が際立っている。最低投資額9万9700円で5000円分の株主優待券がもらえて、配当＋株主優待利回りは5.92％。ほぼ6％という高利回りだ。しかも、3段階の長期保有の優遇制度もあり、100株保有の場合は1年以上の継続保有で7000円分、2年以上で1万円分、5年以上で1万3000円分と、株主優待金額がアップする。継続保有期間を考慮しない場合、5年後の100株保有時の配当＋株主優待利回りは13.94％までアップする（配当が同額で、現状の制度が続く場合）。

　旅行代金の割引に使えるのは、エイチ・アイ・エス（9603）のHIS株主優待券だ。100株保有では2000円分のHIS株主優待券がもらえて、1回1万2000円以上の旅行なら1000円分、2万4000円以上であれば2000円分を利用できる。さらに、愛知県蒲郡市にあるリゾート施設「ラグーナテンボス」で使える500円分の入園割引券ももらえる（1枚の割引券で最大5名＝2500円分の割引が可能）。今期から復配も予定していて、配当＋株主優待利回りは2.81％だ。

利回り6％超で焼き菓子がもらえるアイ・ケイ・ケイHD、
飲料詰め合わせの伊藤園優先株など「モノ」がもらえる定番5銘柄！

　続いて、自社商品の詰め合わせやカタログギフトといった「モノ」がもらえる株主優待株のうち、定番の5銘柄を見ていこう。

■自社商品詰め合わせなどがもらえる定番5銘柄！
最低投資 金額	株主優待＋ 予想配当利回り	株主優待利回り	予想配当利回り	詳細情報
◆アイ・ケイ・ケイホールディングス（2198） 　【確定月】4月
7万8600円	5.59%	2.54%	3.05％
【株主優待内容】 100株で2000円相当、500株で3500円相当の自社特選菓子、1000株で6000円相当、5000株以上で1万1000円相当の自社特選ギフト。他に、100株以上でレストランの食事優待券3枚
【備考】前回の100株保有時の優待品は、バウムクーヘンはじめ、焼き菓子全8個。食事優待券は、東京、富山、広島、大阪、福岡など全国14カ所のレストランで使用可
◆伊藤園第1種優先株式（25935） 【確定月】4月
18万5700円	3.72%	0.81%	2.91％
【株主優待内容】 100株で1500円相当、1000株以上で3000円相当の自社製品詰め合わせ。他に、保有株数に応じた自社通販製品の割引
【備考】前回の100株保有時の優待品は、「お～いお茶」「ウーロン茶」「1日分の野菜」など缶入り飲料やパック飲料など全12品。自社通販は、100株で30％割引、1000株以上で50％割引
◆トーエル（3361） 【確定月】4月／10月
40万4500円	3.21%	0.74%	2.47％
【株主優待内容】 500株で1500円相当、1000株以上で3000円相当の自社取扱商品（ピュアウォーターなど）
【備考】前回の500株保有時の優待品は、アルピナペットボトル（280ml×9本）、カレンダー
◆フリービット（3843） 【確定月】4月
67万9000円	2.43％	0.44％	1.99%
【株主優待内容】 株主優待ポイントを、500株で3000ポイント、1000株で6000ポイント、1万株以上で1万ポイント（1ポイント＝1円相当）
【備考】株主優待ポイントは、食品、電化製品、こだわり雑貨など4000種類以上の中から交換可能（プレミアム優待倶楽部）。継続保有の場合は、ポイントを1回のみ次年度に繰り越すことも可能
◆正栄食品工業（8079） 【確定月】4月／10月
47万9000円	ー	ー	1.04％
【株主優待内容】 100株以上で自社商品詰め合わせ
【備考】昨年4月の優待品は、チョコ菓子やナッツ、ビスケットなど全15品
※株主優待内容、最低投資金額、利回りは3月15日終値時点

　取り上げた5銘柄のうち、7万8600円と必要投資金額がもっとも少なく、逆に配当＋株主優待利回りは5.59％でダントツに高いのがアイ・ケイ・ケイホールディングス（2198）だ。100株では2000円相当の自社特選菓子がもらえる。昨年の場合、中身はバウムクーヘンをはじめ、焼き菓子が全部で8個入っていた。

　お菓子系では、正栄食品工業（8079）も4月の株主優待でおなじみの銘柄だ。株主優待品は自社商品の詰め合わせで、昨年4月の場合はマロングラッセやチョコレート、ビスケット、ナッツ、ドライフルーツなど全15品がもらえた。株主優待品の金額は公表していないが、独自に商品価格を計算すると昨年4月分は約6000円。少し安く見積もって5000円相当とした場合、配当＋株主優待利回りは3.13％と、なかなかの利回りになる。4月と10月、年2回実施なのもうれしい。

　自社の飲料詰め合わせがもらえるのは、伊藤園第1種優先株式（25935）。昨年の100株保有時は「お～いお茶」や「ウーロン茶」「1日分の野菜」など全12品がもらえた。優待内容は普通株の伊藤園（2593）と同じだが、最低投資金額は普通株の37万1300円に対して、優先株は18万5700円と約18万円も少なくて済む。

　しかも、配当は普通株の1.25倍もらえるため、配当＋株主優待利回りは3.72％と、普通株の1.53％と比べてかなり高くなっている。「お得度」で選ぶなら優先株がおすすめと言える。ただし、優先株には議決行使権がないため、株主総会に出席して株主の意思を伝えたいという人は、普通株を取得するとよいだろう。

　飲み物がもらえるもう一つの定番優待はトーエル（3361）で、こちらの株主優待品は主にピュアウォーター。前回の場合、500株では500mlボトル9本分のピュアウォーターとカレンダーがもらえた。

　数多くの選択肢から自分の欲しいものを選びたい人には、カタログギフトタイプの株主優待がぴったり。4月銘柄の中では、ポイント式のカタログギフトを採用しているフリービット（3843）がおすすめだ。最低投資金額は67万9000円と、かなり高めにはなるが、食品や電化製品、こだわりの雑貨など合計4000種類以上の商品の中から、保有株数に応じて好きなものを選ぶことができる。配当＋株主優待利回りは2.43％で、まずまずの水準となっている。
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新設のビーアンドピー、権利月変更のギガプライズなど、
今年の4月に注目したいQUOカードなどの金券優待株を紹介！

　4月は、全体の株主優待銘柄数が少ないこともあり、「QUOカード」などの金券がもらえる株主優待はごくわずか。しかし、この4月は新設銘柄があるほか、今回から権利月を4月に変更した銘柄もあるため、見逃せない。ここでは、注目の3銘柄を紹介しよう。
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■注目の金券優待3銘柄！
最低投資 金額	株主優待＋ 予想配当利回り	株主優待利回り	予想配当利回り	詳細情報
◆ビーアンドピー（7804） 【確定月】4月
17万8000円	3.37%	0.56%	2.81%
【株主優待内容】 100株で1000円分、500株以上で2000円分のQUOカード
【備考】今回から株主優待を新設。2025年からは1年以上の継続保有が必要
◆ギガプライズ（3830） 【確定月】4月
15万7200円	2.55%	0.64%	1.91%
【株主優待内容】 100株で1000円分、200株で2000円分、500株で3500円分、1000株以上で6000円分のQUOカード
【備考】今回から株主優待の権利確定月を変更。長期保有優遇制度があり、3年以上の継続保有で100株は1500円分、200株は2500円分、500株は6000円分、1000株以上は8500円分に増額
◆フィット（1436） 【確定月】4月
18万8000円	1.81%	0.53%	1.28%
【株主優待内容】 200株で1000円分、500株で1500円分、1000株で2000円分、5000株以上で3000円分のQUOカードPay
【備考】長期保有優遇制度があり、2年以上の継続保有で区分ごとに1000円分のQUOカードPayを追加
※株主優待内容、最低投資金額、利回りは3月15日終値時点。

　今回から「QUOカード」がもらえる株主優待を新設したのが、ビーアンドピー（7804）だ。「QUOカード」の金額は、100株で1000円分、500株以上で2000円分となっている。配当＋株主優待利回りは3.37％で、なかなかの高利回りと言える。なお、ビーアンドピーは1年以上の継続保有が株主優待獲得の条件だが、今回のみ継続保有は不要となっている。次回以降も「QUOカード」を欲しい人は、継続して1年間保有しよう。
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　ギガプライズ（3830）は決算月の変更に伴い、株主優待の権利月も今回から4月に変更している。4つの保有区分があるが、100株では1000円分、200株では2000円分の「QUOカード」がもらえるため、2単元保有しても株主優待利回りは下がらない。さらに長期保有の優遇制度もあり、3年以上の継続保有で100株では1500円分に「QUOカード」が増額される。配当＋株主優待利回りは2.55％だ。
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　昨年、株主優待を新設したのはフィット（1436）。こちらの株主優待品は「QUOカードPay」で、200株保有すると1000円分がもらえる。配当＋株主優待利回りは1.81％でやや物足りないが、スマホで管理して使えるので紙のカードを持ち歩かなくていいのは便利だ。利用できる店舗は「QUOカード」とは異なるので、気になる人は事前に公式サイトで確認しておくことをおすすめする。

　最後に、権利確定日と権利付最終売買日を確認しておこう。4月末が権利日の銘柄は、2営業日前の25日（木）が最終売買日だ。週末に加えて祝日も挟むので、間違えないように注意しよう。なお、トーエル（3361）やフリービット（3843）、フィット（1436）は、株主優待の獲得に複数単元が必要になる。購入前には、最終売買日と必要単元数をもう一度見直して、目当ての株主優待を確実にゲットしよう！
（構成・文／肥後紀子）
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