だっこすると反る赤ちゃん
子どもの重心が後ろに

 保育士や幼稚園の先生向けの研修を全国各地で実施していますが、みなさんが必ずおっしゃることがあります。いつかデータ化しなければと思うのですが、今は保育あるあるネタとして聞いていただければ。

 「昔の赤ちゃんは2人だっこできたけど、今は1人をだっこすることも大変」
 「おんぶするとはじめての子は後ろにそってしまって、とてもおんぶできない」
 「体育座りをすると 後ろにひっくり返る子が増えた」

 どうも、子どもたちの重心が後ろにいっているようなのです。

 私も、赤ちゃん講座の実施が多いので、4日に1回は乳幼児に接しています。そうすると、確かに、だっこすると反っちゃうお子さん、多いです。反り方も激しいので事故につながりやすいのは想像できます。

 園田正世さんによると「普段から密着せずに抱っこ紐にもたれるようにしか抱かれてこなかった、“しがみつくおんぶ”の経験がないお子さんが増えているように見えます」とのこと。

 子どもたちがしがみつかずに後ろに反ってしまい、危ないと感じられる事例も保育者からお聞きしましたし、子どもだけが原因ではなく、慣れない保育者によるものや、道具の不備などの原因があいまって、重篤な事例も起こっています。そのため、保育園のマニュアルで、おんぶは2人以上で行うと最近変更したところもあります(川崎市など)。

 それくらい現場では、おんぶもだっこも難しくなってきているのです。

 防災だからと安易にアドバイスすると、危険になるケースも知っておいていただければと思います。

 ところで、動物園で親子猿を観察すると、親は全然がんばってないけど、子猿がしっかりしがみつくから、あんな激しい動きでも落ちないことがわかります。

 人間の子どもたち、しがみつかなくていいんでしょうか?

 園田さんは「高い位置のおんぶはお母さんがやっていることを見られるので、社会性が育つと考えられています。また、だっこやおんぶの時間は毎日数時間になります。その1年を積算するとかなりの長時間です。その間子守帯に補助してもらいながら能動的に体を動かしてきた子と、背あてにもたれている状態が続いた子では運動の機会が大きく違ってしまいますね」と話しています。