災害は時間や天候を選んでくれない。もし、真冬の深夜に避難しなければならなくなった場合、防災・防寒の基本について、アウトドア流防災ガイド・あんどうりす氏がQ&A形式で解説する。

防寒の基本――水、風、空気を
いかにコントロールするか 

24日、東京や横浜など都心部で54年ぶりの11月の初雪を観測した(画像提供:写真家/村山嘉昭氏)

 11月22日、福島県沖を震源とする地震と津波が発生しました。5時59分と早朝でしたので寒い中で避難された方も多かったことと思います。

 また、11月24日は関東地方で54年ぶりの初雪。

 災害は時間や天候を選んでくれないことを痛感します。もしも夜中、避難しなければならない時に雪が降っていたら?ということで、今回は防寒についてよくある質問&応用についてお話します。

 防寒の基本は、水と風と空気をいかにコントロールするかということを数回にわたって書いてきました。みなさん、暮らしの中で実践していただいてますか?

気温11度でくもり、北風で風速7mの際の高尾山の様子。ケーブルカーで山頂付近に行けるため、軽装の人も多い。フリースやダッフルコートは防風ではないので、7mの風に耐えられる格好の人は少ないように思われます(写真提供/山口香織さん)

 ざっくりまとめると、

1.水や汗でインナーが濡れると、気化熱により熱が奪われ低体温症になる

 →濡れた状態を維持しないインナーを着用する
 →濡れない、蒸れないアウターを着用する

■(参考記事)『登山では、コットンのインナーは着ません!機能性インナーの下にコットン肌着を着ている人が54%も』正しくインナーを着こなして、寒い冬を暖かく。アウトドア流着こなし術を身に着けよう!その2(2016/10/19)

■(参考記事)「災害時にも役立つレインウエアを普段使いに」~「寝るな、寝ると死ぬぞ!」は間違い?