今年の中央経済工作会議での
「核心」の一つは“穏中求進“

 12月12~14日、中央経済工作会議(以下“会議”)が北京で開催された。今年度の経済情勢・政策を振り返り、評価を与えること、および来年度のそれに向けた指針を提示することを主旨とする、2016年最後の重要な政治会議である。

 あらゆる問題提起、情勢評価、政策方案が審議されており、それらすべてをコラム一本で網羅するのは現実的ではないし、“情報量”が多すぎるが故に、分析する側の忍耐が削がれてしまうかもしれない。

 本稿では、中国共産党が「大局を死守する」という観点から危機感を抱き、故に高度に重視する、そしてその方針や政策がある程度具体的に描かれている部分を抽出しつつ、現段階で施せる若干の分析を加えていきたい。

「穏中求進という実務の総基調は治国理政の重要な原則であり、経済実務をしっかり行うための方法論である。来年、この総基調を一貫し続けることには特別に重要な意義があるのだ」

 私から見て、この部分は会議における一つの核心である。“穏中求進”とは安定の中で進歩を求めることであり、“治国理政”とは国を治めることに加えて、国政運営を指している。これまでも“穏中求進”の四文字は経済政策を主張したり、審議したりする際にしばしば使われてきたが、今回はこれが治国理政に対しても“原則”として応用され、逆に従来修飾の対象であった経済政策に対しては“方法論”であると指摘された。

 中国国内における政府系シンクタンク研究者らの間では、穏中求進を経済政策だけでなく、政治の分野にまで広げたことを“アップグレード”だとして評価する分析が主流であるようだが、私はむしろ党指導部の現状に対する危機感の表れであると解釈した。安定を“総基調”と定義した会議は「安定とは大局であり、安定という前提の下で肝心な分野で進取すること」を掲げている。