減災するための
3つのポイント

糸魚川大火で海に近い北東の角から被災地を写した画像。右手奥が焼け残った住宅 (画像提供:室﨑益輝氏)

 さて、「防ぐ、消す、逃げる」という減災の3段階に即して、今回の大火から導き出される教訓を提示しておこう。

(1)「防ぐ」

 まず「防ぐ」ということで、オープンスペースや緑の大切さを指摘しておきたい。いかに燃え広がったかを診ることも大切だが、いかに焼け止まったかを診ることも欠かせない。上の写真は、海に近い北東の角から被災地を写したものであるが、手前の白い建物は消防隊の放水により延焼を免れている。建物の手前に大きな駐車場があり、そこに消防車を停め放水することができた。この事例に限らず、駐車場のあるところで焼け止まっている。消火活動を有効に展開できるように、消防通路や活動空地などを計画的に配置しておくことの大切さが示されている。

酒田の大火で焼け残った本間家 (画像提供:室﨑益輝氏)

 奥にあるもう一つの住宅も、周囲が焼失しながらも焼け残っている。南側に、大きな樹木があり、それが火炎や火の粉を防ぐ遮断機能を果たしている。それに加えて、屋根や外壁が不燃材料で防護してあったことが、幸いしている。木造であっても、屋根や軒裏の隙間などの弱点を、不燃材料で防護すれば延焼を免れうることを、示している。樹木が延焼を防いでいることについては、酒田大火の本間家が延焼を免れたことにも通じるもので、グリーンベルトや樹木帯を計画的に設置することの大切さを、ここから確認したい。

(2)「消す」

 次に「消す」ということに触れたい。消すには、水と人と機械の3要素が欠かせない。まず水についてであるが、火災規模が著しく大きくなり、消火活動が長時間に及ぶと、消防水利が足りなくなる。今回も、消火栓の水圧が低くなり、防火水槽の水量が足りなくなっている。

 阪神・淡路大震災の時も、水利が確保できず大火を許している。その時に「無限水利」ということが強調された。大火に応じるためには長時間活用可能な無限の水利がいるということだ。ところで今回は、建設会社にコンクリートミキサー車の応援を要請し、それを使っての海からの水の補給に成功している。めったに発生しない大規模火災の水利の臨時的な補完システムとして、参考になる。

 次の人と機械については、反面教師という形で教訓を述べておきたい。今回は、家屋の密集や強風によって消防活動が妨げられ大火を許すことになったが、同時の消防職員や消防ポンプが不足していたという地方都市の消防力の脆弱性が大火を許すことにつながっている。消防ポンプ車両が少なく、初期消火時においても拡大防止時においても、ポンプが足りなかった。