長時間労働が問題視される中、社員の集中力を高めて仕事の効率化を図るのは、企業の喫緊の課題だ。社員のパフォーマンス向上への取り組みを積極的に進めている企業の実例を紹介する。(週刊ダイヤモンド2017年1月14日号特集「仕事・勉強に効く『集中力』&記憶術・速読術」より)
【ヤフー】
心と身体の健康増進で 仕事の効率を最大化
CCO(チーフ・コンディショニング・オフィサー)──。昨年9月、ソフトバンクグループ傘下のIT大手、ヤフーが新設した役職だ。初代CCOには、宮坂学・ヤフー社長が就任した。
従業員の心と身体の健康増進を促すのがCCOの役目。それを社長自らが責任者となって進めるというのだ。背景には「社員の健康こそ生産性向上の大前提」(湯川高康・ピープル・デベロップメント戦略本部長)という同社の考え方がある。
昨年10月の本社移転を機に、社員食堂では、安かろう悪かろうではなく、健康的でおいしいものを食べてもらおうと食材にこだわったメニューを提供。自転車通勤や新幹線通勤も可能になった。
新本社では、オフィスのレイアウトにも工夫を凝らしている。デスクをわざとジグザグに並べて、真っすぐ歩けないようにしたのだ(写真)。「人と人がぶつかる交差点が多くなり、そこで会話が生まれアイデアが生まれる」(湯川本部長)。効率化に逆行しているように見えるが、新たなイノベーションを生み出す起爆剤にもなり得る。
こうしたヤフーの取り組みの中で最も注目されているのが、週休3日制導入に向けての動きだ。