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経営者に「人材データを信じる勇気」がなければ
優秀な社員ほど会社を辞めていく

――タレントマネジメント大手「コーナーストーン・オンデマンド」に聞く

ダイヤモンドIT&ビジネス
【第140回】 2017年3月8日
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グローバル人材とは
世界基準+ローカル能力で評価する

――日本には今年から本格的に進出されるとのことですが、すでに他のグローバルな人材ソフトの企業は日本に拠点を設けています。参入が遅れた理由はなんですか。

 日本でも、社員教育の分野では、外資系を中心にすでに多くの企業に採用されています。日本は重要なマーケットだと捉えていますし、日本の人材に関する市場は、まだ早期の段階にあると考えていますので、これからでも大きく業績を拡大していく余地があると認識しています。

――労働人口の減少や新しい業務とのミスマッチなど、今後日本企業は必要な人材の確保が厳しくなると言われます。どう見ていますか。

 日本では、定年退職した社員の穴を埋めることが一層困難になってくるでしょう。自国で必要な人材が賄えなければ、海外に目を向けていくことが求められます。米国ではグーグルが、データサイエンティストの人材を海外の労働市場に求め、東欧などで探して採用していると聞きます。そのようなときに、海外の社員でも共通基準で能力を評価できるタレントマネジメントの仕組みは必須となります。そして、世界から人材を集めた後は、必要なスキルを効率よく習得する教育システムが戦力化のカギを握ります。

――今後は日本企業でも、ますます「グローバル人材」が必要と言われます。日本企業がグローバル人材を育てていくための要件を、どのように人事システムに取り入れていけばいいのでしょうか。

 欧米の例を参考にすることができます。まず、その企業の本社部門が考える「グローバルで共通な能力、資質、属性」を満たしているかが基準となり、それに各国や地域のローカルな能力を二階建てにした人材のデータを蓄積していきます。これは「グローカル」な人材のデータベースということです。

 グローバル人材育成の成功例として、ネスレを挙げることができます。ネスレは言うまでもなく世界で事業を展開していますが、スイスの本社で基本となる人材像については一元管理しており、そこにローカルの要件を加えて運用しています。

経営者がデータを信じることを宣言する

――日本では「働き方改革」による生産性向上へ政府を挙げた取り組みが始まっています。日本の生産性が低い理由の一つに、社員の「がんばり」や「時間をかける」ことへの高評価が根強いことが問題と言われます。つまり、データに基づく人事評価がまだ浸透していません。

 これはまさに経営の問題で、経営者が「データと技術を信頼する」勇気を持つことが必要です。世界から人材を募ろうとするなら、日本国内の価値観から、新しい基準に踏み出さなければいけないのです。そのためには経営者が率先して、「これからわが社はデータを重視した人材マネジメントを行う」ということを社員に宣言し、実際にその仕組みを取り入れる必要があります。そうすることで評価基準の透明性が増し、たとえば在宅勤務でもオフィスにいる人と共通の評価基準で判断ができるようになります。俗人的な評価や組織の問題がチェックできるようになるはずです。

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