今期(2012年2月期)、創業100周年の節目を迎えるユニー(愛知県)の業績が持ち直してきた。前期は「原点回帰」をテーマに活性化策を実施、今期はこれからの100年を見据えた「7つの基本戦略」に注力する。厳しい経営環境が続く日本で、いかに勝ち残るのか。ユニーの前村哲路社長に今後の事業戦略を聞いた。聞き手/千田直哉(チェーンストアエイジ)

経営改革が奏功し業績が回復

ユニー代表取締役社長 前村哲路
まえむら・てつろ 1949年生まれ。1972年ユニー入社。2001年北陸本部本部長を経て、06年常務取締役に就任。07年2月から現職。61歳。

──今年3月11日に「東日本大震災」が発生して以降、国内は混乱が続いています。今回の震災で大打撃を受けた小売業もありました。ユニーの被災状況はいかがですか。

前村 当社は関東以北に34店舗を展開しています。地震直後は21店舗が停電し、一時は全34店舗が休業せざるを得ない状況でしたが、幸いなことにお客さまをはじめとする人的被害はありませんでした。

 ただ、震災後の見通しははっきりしませんね。品不足になる商品も出ると見ています。販売動向だけを見ると震災の影響は大きく、発生直後は衣料品の売上高が半減に近い水準まで落ち込みました。

──さて、ユニーは今期、創業100周年の節目の年に当たります。経営に対する抱負や方針について聞かせてください。

前村 09年は「100年に1度の経済危機」と言われ、一時は企業の存続さえも危ぶまれるほど業績が低迷しました。そのような状況を受けて、会社設立40周年を迎えた前期(11年2月期)は、「企業の存続」をテーマにさまざまな施策を実施しました。今期は、企業としていかに収益を上げ、成長できるかに取り組んでいます。

 ユニーは創業から100年が経過しましたが、これからの100年はこれまでより数倍、いや数十倍も厳しい時代になると予想しています。そんな時代でも生き残っていけるだけの体力を養いたいと考えています。