もうすぐ始まる脳卒中週間
早期受診を心掛けよう
来る5月25日からの一週間は「脳卒中週間」である。公益社団法人日本脳卒中協会の呼びかけで制定されたもので、毎年標語を募集するなどして脳卒中予防の啓蒙を行っている。本年の標語のテーマは「早期受診の重要性」で、「すぐ消えた まひやしびれも すぐ受診」(埼玉県・室英代さん作)が選定された。
一般に脳卒中は冬に多いというイメージがある。だが年間を通してみると、脳卒中の大部分を占める脳梗塞の発症は春には比較的少なく、6月から8月に増加するという。脳卒中週間がこの時期となったのには「夏から気をつけよう」という警告の意味があるのだ。
「脳卒中」「脳出血」「脳梗塞」の違いとは
日本人の死因の第3位にもランクイン
脳卒中と脳梗塞、脳出血などいずれも字面からして恐ろしいイメージがあるが、区別がつかない、関係がよくわからない人もいるだろう。先に「脳卒中の大部分を占める脳梗塞」と記したことからも察せられるように、脳卒中(脳血管障害)は、脳の血管が破れる「脳出血」、脳動脈瘤が破裂する「くも膜下出血」、そして脳の血管が詰まる「脳梗塞」の3つに大別される。がん、心臓病に次いで日本人の死因の第3位である脳卒中だが、その75%を脳梗塞が占めるという。
脳卒中の最大の原因は高血圧で、脳梗塞の場合ももちろん同様だ。高血圧の状態が長く続くと動脈硬化が進行し、脳の血管が詰まって脳梗塞となる。血管が詰まった部分の先の脳細胞には血液が送られなくなり、脳細胞が壊れてしまう。その結果意識がなくなったり、さらには半身まひや言語障害・認知症などの症状が現れるのだ。
早期に適切な治療を受けられれば後遺症もなく治ることもある。後遺症があってもリハビリによってかなり回復がみこめる。だが亡くなる人や寝たきり、半身不随、認知症といった状態になる人も多い。死を免れても生活の質を著しく低下させるわけで、イメージどおりの恐ろしい病気ではある。