株で勝つには「運」も必要!? 人気投資ブロガーで、『運、タイミング、テクニックに頼らない! 最強のファンダメンタル株式投資法』を出版したv-com2(ブイコムツー)さんの考える、運頼みではなく、自ら運を呼び込む方法とは?
つらい1年を耐え忍び
やっと得られた大きな果実
先週は、RIZAPグループ(2928)の子会社たちが、株価値上がりランキングを独占した1週間でした。
・マルコ(9980)は、優待拡充と大幅増益予想で株価2倍以上。
・夢展望(3185)は、優待新設と大幅黒字転換予想で株価2倍以上。
・イデアインターナショナル(3140)は、株式分割と優待拡充と上方修正で約60%の上昇。
・さらに他の子会社(SDエンターテイメント、パスポート、ジーンズメイト、ぱど)も、軒並み上昇。
以前から、RIZAPグループが買収した子会社は、しばらくすると株主優待を新設するという傾向がありました。
私はそれを期待して、マルコを1万株以上持っていたので、大きな恩恵を受けることができました。
マルコは、女性用の補正下着などを販売する会社です。
私が初めてマルコを買ったのが、RIZAPグループの子会社になった約1年前です。
それ以来、安い所を買い増したりして待っていたのですが、株主優待新設を信じて待ち続けることの大変さも、同時に味わったこの1年間でした。
マルコは、経営が悪化中の会社だったため、RIZAPグループが買収したからといって、すぐさま業績が回復するわけではありません。そのため、この1年は、決算発表のたびに大きな赤字が出たりで、ハラハラさせられました。
「株主優待新設」だけを信じて待つことは、メンタル面で結構つらいものです。
しかも、他の会社が業績好調で上昇していたりすると、なぜこんな赤字会社にたくさん投資してしまったのだろうと、幾度となく心が揺れてしまいます。
最終的には、1年という非常に短い期間で株価が数倍になるという成果を出せたわけですが、投資においてメンタルというのは、本当に大事な要素だと身に染みて感じました。
今までのコラムでもお話ししてきたように、株式投資においてはまず、「知識」と「経験」を積むことが必要です。
何もわかっていない状態から、少しずつ関連する「知識」をつけていくことが重要というのは、誰でも理解できると思います。
しかし、ちょっと知識をつけて、やり方がなんとなくわかったくらいでは、なかなかうまくいきません。実際の株式市場で投資をしてみて初めてわかることも多いためです。
実際に投資をすることで、「こうすればもっとうまくいくのかな」ということが、徐々につかめてきます。それが「経験」です。
けれど、実は最も重要なのは、「メンタル」ではないかと思っています。
「メンタル」とは、投資と向き合う中での日々の感情だとか、もっと大きく言えば投資哲学的なものも含まれます。
発売中の私の著書『運、タイミング、テクニックに頼らない! 最強のファンダメンタル株式投資法』では、メンタル面について語った章があります。
また、その章以外でもいたる所で、自分で考えること、自分で行動することの重要性について触れています。
そこで、今回は本には書ききれなかったけれど、メンタル面で大事と考えていることをご紹介して行きたいと思います。
ポジティブな言葉と態度が
幸運を引き寄せる
本のタイトルには「運」に頼らないとありますが、株式投資には、運の要素はあります。
ただし、運は、普段の習慣で呼び込めるものだと考えています。
「人事を尽くして天命を待つ」
一言でいえば、株式市場で幸運を引き寄せる人は、これを実践している人ではないでしょうか。
毎回、今の自分にできる限りのことはやった上で、最後の最後は運にもまかせて投資する。すると、不思議と幸運と思える出来事が起こり、成功するのです。
そして、たとえ失敗した時も、他人のせいにしたり、運のせいにしたりしません。
私の場合、失敗は失敗として受け止めて、今後の糧にして再挑戦すれば、その後は高い確率で成功します。
こうした心がけは他人からはあまり見えませんから、なぜ、あの人は運がいいのかと思ってしまうかもしれません。
もし、自分のことを運が悪いと悩んでいるならば、運が良い人(あるいは投資に限らず成功している人)はどういう「考え方」「習慣」を持っているのか、その結果どういう「行動」を取っているのか、本でもネットでもいいので、一度とことん調べてみることをおすすめします。
そして、実際に少しずつ自分自身を変えていきましょう。
今の自分を意識して変えることで、少しずつ自分の手で未来を変えられるはずです。
私がよくおすすめしているのは、「お金持ちの教科書」というホームページです。
厳しいことも書いてありますし、心理的に抵抗を感じるトピックもあることでしょう。
やたら反論したくなったり、読むのが嫌になったりするものもあると思います。
けれど、先入観にとらわれずに読めば、ものすごくたくさんの発見があると思います。
ブログの内容をまとめた同タイトルの本も出版されており、私は頭に叩き込み、メンタルを強化すべく、10回以上は読んでいると思います。
実は私自身も、普段は結構ネガティブなことを考えてしまったりします。
子どもの頃から染み付いている考え方とか習慣を変えることが、非常に大変なことも知っています。
でも、ネガティブ思考は不運を引き寄せることも知っているので、自分の中のネガティブな感情と日々戦っている感覚です。
たとえば、ブログ等ではネガティブなことをできるだけ書かないようにして、大暴落があった時なども、無理やりにでもポジティブな面を見つけ出そうとしています。
ポジティブな面を見ようとする習慣はすごく大事で、投資においても悪いニュースが出た時に、それで突破口が見つかったりするんですね。
たとえば、ダイヤモンドダイニング(3073)やGMOペパボ(3633)がそうでした。その時の状況は『運、タイミング、テクニックに頼らない! 最強のファンダメンタル株式投資法』に書いています。
自分が本来ネガティブに傾きがちだからこそ、習慣として、普段から自分をポジティブ思考になるよう矯正しなければと実感しています。
そんな風に何年も(というより10年以上)行動してきた結果として、今では、自分は運がいいと思えるようになってきています。
数々の投資において、幸運と思える出来事もたくさんありました。
ただ、それは実は、過去の自分が知識面で事前準備をして、少しずつ経験を積んで種まきしてきたものが、メンタルを強化していく中で花開いただけだったりします。
自分が何もやっていなければ、幸運は訪れなかったでしょうし、幸運は自分で呼び寄せるものなのです。
・知識
・経験
・メンタル
これらそれぞれを、自分の中で育てていくために何ができるか、それは一人ひとりが自分で見つけなければならないものです。他人は大まかなアドバイスをすることはできますが、最終的には、自分自身で取り組まなければなりません。
自分を変えることができる人と、そうでない人の違いは、新しい知識に出会った時に、実際に自分でやってみようと少しでも行動するかしないかが大きいのではないかと思います。
さらに、行動してみてうまくいかなかったとして、やめてしまうかどうかだと思います。
自ら運を引き寄せる人は、なぜうまくいかなかったのかを自分で考え、その事象の本質はどこにあるのかを追求し、再度行動して改善を繰り返すことで経験を積み、知識を自分のものにしていっているのです。
こうしたプロセスが役立つのは投資に限りません。
人生のいたる場面で言えることだと、日々、実感しています。