がんに罹ったら、実際どのくらいお金がかかるのか
次に、「がん家系」というのも誤った認識のようです。アクサ生命のサイトを見ると、「がんについて学ぶ特別講座『がんはリスクヘッジできる』」というページに「意外かもしれませんが、実はがんは一部の例外を除き遺伝しない病気です」と書かれています。
またワンポイントレッスンとして、「遺伝するがんは、がん全体の5%程度しかないのです」とあります。「がん家系」という言葉が、いつのまにか独り歩きしていることがわかります。アクサ生命が「がん保険」の販売に注力しながら、このような情報提供を行っていることは、高く評価されていいでしょう。
それから、一般の方が想像されているほどは医療費の負担が高くないと見ることができそうな情報があります。アフラックが公表したあるアンケートの結果です。(有効回答数は約1万3000件)昨年2月から12月にかけて行われた「がん」に関するイベントの来場者に「交通費や入院なども含め、がん治療全般にどれくらいのお金がかかると思うか?」と尋ねたところ、がんに罹ったことがない人は、約53%が「300万円以上」と回答し、次いで「200万円程度」(21%)、「100万円程度」(19%)と、大病への不安からでしょうか、高額回答が目立っています。
ところが、がんを経験したことがある人たちは、同じ質問に対して、対照的な回答をしています。最多が「50万円程度」で約36%。以下「100万円程度」(約30%)、「200万円程度」(約20%)と続き、「300万円以上」は約5%にとどまっているのです。
がん経験者の回答では、イベント参加など考えられない、深刻な状況にある人達が含まれていない分、高額な回答が減るのではないかという見方もできるかもしれません。一方、発見が遅れたために闘病生活が短かった例、高齢での罹患ということで、特別な治療を受けなかった場合などがどこまで反映されているのかと想像してみることも必要でしょう。
いずれにしても、「がん保険」は「300万円を超える負担を余儀なくされた5%の人たちのためにあるのではないか」と、考える向きもあっていいと思います。「粒子線治療のような『先進医療』には、それだけで300万円程度のお金がかかるという。『がん保険』に入っておかなくては、簡単に対応できるものではないだろう」と感じる方もいらっしゃるでしょう。