「1時間に1回」立つだけで、疲れない

 血流を落とさないようにするには、ずっと座っていないで、たまに席を立つ。それだけで十分です。

 立って歩けば脚に力が入り、脚の筋肉に力が入ることによって、脚にたまっていた血液を体の上のほうに上げることができます。

 脚の筋肉に力が入ることで「ミルキング・アクション」と呼ばれる牛の乳搾りのような動きが起きることで、血流を上に上げてむくみを解消するのです。

 牛の乳を搾るように脚の筋肉がリズミカルに伸縮すると、血管の圧迫と開放が交互に行われ、下に降りてきた血流が押し返されて上に上がっていきます。それによって、疲労の老廃物が血液中を流れるようになり、最終的に尿として体外に排出されるわけです。

 1日中座っていることが多いという人は、頻繁に席を立つようにしましょう。

 「頻繁」の目安は1時間に1回以上です。

 コピーを取りに行く、コーヒーやお茶を入れに行く、窓際に行って外を眺めるなど、ささいな口実を設けて(さぼっていると思われないように)席を立つことです。

 コピー取りも面倒くさがって部下にやらせたりせず、コピー機まで歩いて行って自分でやりましょう。

「エコノミークラス症候群に似ている」

 と思った人もいるかもしれません。その通り。まったく同じメカニズムです。

 エコノミークラス症候群も、1時間ごとに立ち上がって歩く、水分補給をしてまめにトイレに行くなどを心がければ予防できます。

 地震などで被災してやむをえず車中泊をするときも、エコノミークラス症候群にかかりやすいので十分な注意が必要です。