「うなぎのうな子」や壇蜜起用の宮城県など
やりすぎると公開中止のケースも

「地方PR動画を作成する以上、やはり多くの人に観てもわらないと意味がないですから、最近は、より広い拡散を目指して、人気ユーチューバーを主役に置いたりするケースも増えてきました。彼らを起用することで、20~30代の若年のターゲット層へのアプローチも容易になるからです」(前述の鷹野氏)

 もはや「いいことづくめ」に思える地方PR動画だが、一方では失敗例も当然あり、なかには数百万円単位の費用をかけて制作したものの、再生回数が1000回にも満たない「とんでもなく経済原理を逸脱している」動画や、ほかの自治体と少しでも違う動画をつくろうと“攻めすぎた”結果、その内容に「女性蔑視」「犯罪想起」といった批判が殺到、公開からわずか5日で動画が削除されてしまった鹿児島県志布志市のふるさと納税PR動画「うなぎのうな子」のようなケースもある。

 前提として、話題になって多くの人に観てもらえないことには意味がないPR動画だが、ただ再生回数を稼げればいいというものでもない。つい最近では、タレントの壇蜜を起用し、7月5日からの公開で466万8559回という脅威の再生回数を記録した宮城県の観光PR動画が話題となったが、こちらは女性県議や女性団体から「性的描写を連想させる」という物言いがつき、9月末までの配信予定が8月末で終了となった。

 鷹野氏は「PR動画を広く拡散してもらうには、唯一無二の独自性を持つPR動画を作成しなければいけませんし、良い意味での“カド”があることが必要」というが、“カド”が“過度”になっては元も子もない。

 内容次第では、おらが街のイメージアップ戦略として大きな可能性を秘める自治体PR動画。今後も各自治体は良質な動画を多く作成して、多くの人を楽しませてほしいものだ。