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IoT最前線
【第4回】 2017年10月10日
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ダイヤモンド・オンライン編集部

ルネサスと大和ハウスはなぜIoTを「効率化」に活用するのか

3.11の影響によって
「スマートハウス」がキーワードに

 米国のエネルギー政策がプレッシャーとなって始まったスマートグリッドの次は、2011年の東日本大震災に影響された「スマートハウス」がキーワードになった。震災後に原子力発電が停止した際、電力不足を補う目的で身の回りのエネルギーを効率的に運用するため、エネルギー利用を「見える化」することが広く支持を集めた。

 そして今、業界では「スマートホーム」がキーワードとなりIoTに関連付けて考えられている。スマートホームはこれまでの流れを汲んだ省エネアドバイスのほか、家の中の家電の遠隔操作を実現する。住人が帰宅前に外からエアコンを操作し、予め部屋を快適な温度に整えておいたり、マンション敷地内のフィットネスジムと提携して効率的な運動方法のアドバイスを帰宅後に受け取ったりすることができるようになる。

 住宅業界において、スマートホーム推進の機運が高まったきっかけは、グーグルやヤフー等のIT企業がデータのやり取りを行える“IoT的な仕組み”を整えたからだ。少し分かりにくいので説明すると、この仕組みをPCに例えるならば「エクセル」や「パワーポイント」などのソフトウェアになる。その仕組みは大和ハウスによって「請求書」や「資料」のデータをつくるため、つまりIoTサービスをつくるために利用される。

 住宅メーカーは用意されたプラットフォームを使うことで、ゼロからシステムを組み上げる必要がない。大和ハウスの場合は、NTTや富士通、NEC、アマゾン(AWS)などが開発したソフトウェアサービスや機器を組み合わせて情報基盤を自作したことで、これからIoTに本腰を入れようと冒頭の実証実験を進めている。

 ただ、住宅に限らずIoT化を進めようとする企業が直面する壁もある。データをやり取りする“場”が整ってきたとしても、結局は人と人(会社と会社)の付き合いなので、血が通ったやりとりが必須となる。IoT化を目指す住宅業界にも組織風土が異なる企業同士が連携するに当たっての苦労がある。

 大和ハウスの場合、情報基盤の構築で組んでいるのはいずれも老舗や実績のあるIT企業だ。ルネサスが組んでいたようなスタートアップ企業が直接の取引相手になることは少ない。なぜなら計画から開発完了までの時間感覚や、意思決定のための工程が近しい企業風土の方が組みやすいからだという。

 「従来から組んでいた業界老舗の大企業は『急いで開発する』といっても、諸々の調整や安定性の確保などで開発が終わるまで1年くらいかかる。それに対して、スタートアップ企業は意思決定が素早く、同じことを3ヵ月で仕上げてしまう。しかし開発が早いのはいいが、住宅メーカー側の決裁が追い付かない場合がある」。

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あらゆるモノがインターネットで繋がるIoT(Internet of Things)。その仕組みを活用できれば、大きなチャンスが生まれるという。多くの企業が期待を寄せ、取り組みを進めるIoTだが、日本におけるIoT化は現在どのような局面にあるのか。チャンスを生かすための課題とは何か。有識者の声や産業界の取組みを紹介しながら、最新トレンドを多角的にリサーチする。

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