来年4月1日から障害者雇用率が2.2%へアップすることになった。民間企業全体では新たに約8万人の障害者雇用義務が見込まれる。実のところ、それは精神障害者ばかりになる可能性がある。だが、そのことによって職場にトラブルが発生しやすいと考えるのは、あまりにも短絡的だ。彼らとコミュニケーションを密にし、戦力として活躍してもらうため、社員はどんなことを心がけるべきか。日本初の障害者のための労働組合「ソーシャルハートフルユニオン」書記長として活動する障害者雇用問題のスペシャリスト・久保修一氏が、詳しく解説する。
精神障害者雇用が義務に?
法改正で企業が肝に銘じるべきこと
「精神障害者と一緒に働く」と聞いて、好意的に受け止める人はどのくらいいるでしょうか。「早く来ないかな」と心待ちにしているという人はかなりの少数派でしょう。私がこれまで耳にした企業で働くビジネスパーソンの本音は、「うまくいくの?」「何となく不安だ」など、否定的な捉え方をしているものが圧倒的多数です。
来年4月1日から障害者雇用率が2.2%(現在2%、2021年までに2.3%)にアップすることが決まりました。障害者雇用促進法が改正され、雇用率の算出基準に精神障害者が加わるからです。「必ず精神障害者を雇わなければならない」というわけではありませんが、事実上そうなることが予想されます。どういうことでしょうか。