『アルフレッド・アドラー 一瞬で自分が変わる100の言葉』がダイヤモンド社から発売されたことを記念して、20万部突破の第一弾『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』を特別公開します。アドラーの厳しくもあたたかい言葉に、あなたも勇気づけられてください。

人の心理は物理学とは違う。
問題の原因を指摘しても、勇気を奪うだけ。
解決法と可能性に集中すべきなのだ。

問題が起きたとき、その原因を探ってはいけない?

「学校で勇気をくじかれない子どもは一人もいない。そして、学校と教師は、勇気をくじかれた子どもの自信を回復させることができる」とアドラーは述べています。
 勇気をくじく行動とは、相手の問題探しをしてダメ出しをすることであり、原因究明の名の下に、失敗した者を吊し上げ、責めたてることです。
 これら勇気くじきを行う親や先生や会社の上司たちは、それらを「よかれ」と思って行っています。子どもや部下のできていないところを指摘することで、問題の「原因」を明らかにし、その後に解決策を考える。これまで彼らが学んできた「物理学」の法則にのっとった解決法を、そのまま人間の心理学に当てはめようとしているのです。
 しかし、物理学と心理学は明らかに異なります。物理学は工場でモノを作る際には正しいやり方ですが、それを人間に応用してはいけません。原因究明は、子どもや部下にとってダメ出しにしか見えず、彼らは勇気を失ってしまいます。そして、勇気をくじかれた彼らは、困難に挑戦することをあきらめて、課題から逃げ出すようになってしまうのです。
 勇気づけを行うのであれば、心理学的なアプローチを行わなければなりません。その場合は、原因究明に割く時間をゼロもしくはほんのわずかにして、解決法を考えることにほとんどの時間を使うこと。可能性に集中すること。それが勇気づけにつながるのです。

問題が起きたとき、その原因を探ってはいけない?アルフレッド・アドラー Alfred Adler(1870年-1937年)
オーストリア出身の精神科医、心理学者、社会理論家。フロイト、ユングと並んで現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立した1人。個人心理学(アドラー心理学)を創始し、『7つの習慣』のコヴィー博士、カーネギーらに影響を与えた。「自己啓発」の源流である。

※本連載は日曜日以外の毎日更新します。