価値ある情報の条件は
有用性、適宜性、正確性

上田 インテリジェンスは「使用者に使ってもらってナンボ」です。だから「有用性」が最も大切です。どれだけ体系的によく整理されていても、使用者の意志決定に役立たなければまったく意味はありません。さきほども言ったように、使用者の目的や戦略を知り、何のために必要な情報なのかをこちらが理解し、それに基づいて情報を集めることです。

秋山 ただ、整然としているだけの資料には意味がないですものね。

上田 第二の条件は「適宜性」、タイムリーであることです。どんな優れたインテリジェンスも使用者が使いたい時、意思決定を行う時に間に合わなければ意味がありません。特に、一瞬の判断を争う、軍事における作戦情報の世界では、完璧であることや完全性を多少犠牲にしてでも、適宜性はとても重要です。

秋山 軍事でなくビジネスに置き換えると、詳細を調べ終わるまで上司に知らせないのはだめで、必要とあらば、その時点で最大限分かっている情報を上げるということですね。

上田 そうです。そして、第三の条件は「正確性」です。これは、中長期的な戦略などに関する意志決定を行う場合に特に重要です。意思決定を急かされているわけではないので、早い情報よりも正しい情報が大切になってきます。

秋山 正確性はどのように担保するのでしょう。

上田 情報源の信頼性と、複数の情報源から裏づけが取れるかどうかというインフォメーション自体の正確性の二面があります。

「信頼できる人」でも間違うことはあるので、別個に判断する必要があります。

秋山 情報源の人にも思い込みや偏見があるでしょうし、正しそうな情報でも、例えば、会社発表の数字と、外部の機関が調査した数字を突き合わせてみるとか、ひとつの情報源だけを鵜呑みにしてはいけないということですね。

上田 ええ。次に、情報自体の評価は、「妥当性、一貫性、具体性、関連性」という4つの尺度があります。