以前、拙稿において「民進党は実質的には解党してしまったと言っていいだろう」と述べた。ここへ来て「解党的出直し」という言葉が使われたことを契機に、まるで本当に解党するかのような大騒ぎになった。そこで曝け出されたのは、かつての政権与党としての栄光にしがみついて、自らの置かれた状況を理解できず、“夢の中”に逃げ込んで行こうとしている党の姿ではなかろうか。(室伏政策研究室代表・政策コンサルタント 室伏謙一)
「解党的出直し」という言葉を
軽々しく使おうとした民進党の底の浅さ
前原前代表の“血迷った選択”により“破滅の道”へと突き進んだ民進党、衆院選後、大塚耕平参院議員への代表交替と併せて、「党の戦略・組織・運営に関する改革本部」(以下、「改革本部」という)が設置され、衆院選での醜態の総括とともに「党の今後の在り方」についての検討が進められてきた。
今回の騒動のきっかけとなった「解党的出直し」という言葉は、その中間報告に関連して出てきたもので、結局は引っ込められたのであるが、中間報告の段階で「解党的出直し」などという言葉を軽々しく使おうとした姿勢や発想に、解党以前に党としての底の浅さ、一体性のなさを感じざるをえない。
(なお、「解党的出直し」という言葉の使用を止めた背景・理由として、大塚代表は12月12日の記者ブリーフィングでの記者の質問に対して、「さまざまな憶測を呼ぶのでそうした表現はない方がいいとの意見があった」、「解党して新党やゼロからスタートとの意見もあった」、「生まれ変わらなければならないという言葉に包含されているという理解(で使うのを止めた)」と説明している。とりあえず使おうとしたが外野からいろいろ言われるので引っ込めたと言っているのと同じであり、党として、党代表としての軽さを感じざるをえない。同時に、大塚耕平参院議員が政策的に極めて有能な、有為の人材であることを考えると、極めて残念である)