2011年も波乱の1年になりそう?
過去最大120項目、170ページの「総予測」

「第1特集 総予測2012」は、過去最大120項目、(特集だけで)170ページの超大型企画です。

 ここまでのボリュームになったのは、2012年は波乱の1年になりそうだから。

 まずは、世界にとって最大の懸念事項、「欧州危機発の世界不況」について、本文抜粋では、次のように予測し、背景を解説します。


──欧州財政危機の発火点は、ギリシャではない。1999年の欧州統一通貨「ユーロ」誕生である。

 ユーロは、生まれたときから構造的欠陥を抱えていた。通貨と金融政策は統合する一方、財政政策は各国に委ねてしまったのだ。

 1つの“国”の中で“地方”が何のチェックもなしに財政政策を勝手に行なうようなものである。

 2009年のギリシャショック(隠蔽されていた巨額の財政赤字が発覚)は、その構造的欠陥がもたらした1つの結果でしかない。

 10年5月、ギリシャの財政支援要請に始まったユーロ圏のドミノ倒しは、アイルランド、ポルトガルへと波及、そして今、経済規模でユーロ圏3位の大国、イタリアにまで及ぼうとしている。

「歴史に残る首脳会議だ」──。12月9日、EU(欧州連合)27ヵ国の首脳会議を終えたサルコジ仏大統領は、胸を張った。

 ユーロ加盟国の財政赤字のGDP(国内総生産)比が0.5%を上回った場合には罰則を科すなどの財政協定で合意し、ユーロ誕生以来の懸案である財政統合に向けた第一歩を踏み出せた、との思いがあった。

 しかし、国の主権にかかわる財政統合には、各国の憲法改正が不可欠になる。道のりは遠く、あまたのハードルが待ち構えている。差し迫ったハードルもある。