一番儲かるのは眼科!
白内障手術とコンタクトで稼げる

 本当にリッチなのは開業医だという意見もあるかもしれないが、開業医もさほど変わらない。

 入院設備のない個人経営の医院の場合、損益計算書上の損益差額が医師の取り分となるが、その平均年額2652万円(入院設備を持たない診療所の全診療科平均)。ただし、損益差額には新規設備投資の資金も含めているので、まるまる収入というわけではない。

 ただし、この損益差額はばらつきが大きい。5000万円以上の診療所も、全体の13%存在する。

 ある都内の開業医(69歳)は、この損益差額の違いについて、「都内のように医者が多く、家賃などの経費も高いエリアでは、1000万円の収入がやっと。儲かるのは、医者の少ない地方都市で、親から受け継いだ土地や診療所施設があり、自由診療をどんどん受け入れるような医者で、同じ開業医でも収入は全然違う」と解説する。

 意外なのは、診療科目によって、「儲かる科目」と「あまり儲からない科目」があるという事実だ。左図に示したように眼科が3918万円と圧倒的に高い。つまり、眼科は儲かるというわけだ。

 なぜ、眼科なのか。ある大学病院の勤務医は、眼科は数をこなせるからだという。「白内障の手術などは、簡単なものだと20分くらいで終わるし、医師1人でできる。しかし、その保険点数は、何時間もかかる消化器系の手術と大差ない」。また、コンタクトレンズの購入に際しては医師の処方箋を求められることが多いが、コンタクトレンズの装用者は20年前に1000万人前後だったものが、現在は2000万人弱になっている(日本コンタクトレンズ協会のデータなどによる)。これもまた、眼科の大きな収入源だ。

 清貧の町医者から、バリバリ稼ぐ開業医まで、医師の姿はさまざまだが、ひとつだけ、職業としての医師には他にない特徴がある。それは高給の第一線で働ける期間の長さだ。

 右図は厚生労働省が実施する賃金構造基本調査のデータを使って、年齢階層別の賃金を大手金融機関と比較したものだ。一目瞭然なのは60歳以降の賃金水準。金融機関は50~54歳にピークがきて、定年を迎える60歳過ぎには半分以下に急落する。

 一方、医師の賃金は50歳代でピークとはなるが、60歳以降も大きく減ることはない。しかも、これまで見てきたとおり、その水準は極めて高い。ここが生涯賃金の決定的な違いとなることが分かる。

 医師・歯科医師・薬剤師調査という別の調査では、診療所医師の平均年齢が分かるが、なんと59.6歳。一般企業では定年となる歳が開業医の平均値なのだ。高齢者となっても仕事が待っている。これこそが、医者という職業の最大の魅力であろう。