北京ではおそらく
実験すらできない

QRコードによる乗車システムが書いてあるバス停(左)/この実験は深セン市(深センバス会社)、大手通信企業のZTE、自動運転技術を開発しているHAYLION、アリババ参加の人工知能企業ALPHABAなどの合同で進められている

 バス基地に何度も通ううちに、スタッフと仲良くなった。正式な取材ではないので名前などは明かせないが、このようなことを話した。

・この自動運転バスには、LIDER(光の点で測距する技術)やカメラによるセンシング、人工知能によるSLAM(自己位置推定、まわりの環境地図作成)など、最先端の技術が投入されている。もちろん何をどう使っているか具体的には言えないけど。

・とはいえ、今の最先端の技術を導入しても、人間のように運転できるわけではない。本当に人間並みになるのはいつかまだわからないし、「人間並み」というのがどういう状態かもまだもやもやとしている。

・この実験道路は本当に公道で、けっこう普通のクルマも走る。路上駐車もある。今も実験には気を使う。

・もちろん実験なので、実際に道を走らせている時間よりも調査開発をしてる時間の方が長い。何度も来ればそのうち動いているのを見られる、ぐらいのレベルだと思う。

・このためにバス停や、QRコードによって指定バス停に止まるシステムも作っていて、実際に動作するが、一般人を乗せて運行する予定はない。今のところVIPや正式な取材、そしてもちろん実験のために使っている。

・実験をやっていれば事故が起こることもあるし、手戻り(問題が生じて作業をやり直すこと)することもある。深センはそういう実験を、たとえば北京に比べるとやりやすいのがありがたい。

・北京だと、「まず失敗しない」段階まで仕上げてからでないと実験さえできないが、深センでは現段階での実験でできる。うまくいかないことまで含めて、実験から得られるものはたくさんある。