フロリダ乱射事件で米国社会は変われるか、豪では銃規制成功例もフロリダの高校での無差別銃撃事件は米社会に大きな衝撃を与え、トランプ大統領も同校の生徒らと面会した Photo:AFP/AFLO

銃による大量殺人が珍しくないアメリカで、また新たな事件が発生した。フロリダ州パークランドの高校で14日午後、19歳の少年が無差別銃撃を行い、17人が死亡。事件後に警察に拘束された少年は、事件現場となった高校の元生徒で、素行の問題で退学処分となっていた。容疑者は合法的な手段で購入したアサルトライフル(AR-15)で17人を殺害し、14人を負傷させた。AR-15は過去の大量殺傷事件でもたびたび使用され、多くの容疑者が合法的に入手していたことでも知られる。

事件後、パークランドの高校生らはテレビカメラの前で銃社会の危険性に警鐘を鳴らし、多くのアメリカ人の共感を呼んだ。学生が主体となって銃規制を求めるデモが行われたり、首都ワシントンでの行進が計画されたりと、より多くの若者が14日の事件後に銃規制を求めて立ち上がったが、アメリカ社会に何らかの影響を与えるのだろうか。(ジャーナリスト 仲野博文)

学校での銃撃事件は今年に入って18回目
「無差別銃撃世代」を象徴する銃・AR-15

「ベビーブーマー」や「ジェネレーションX」、「ミレニアルズ」など、各世代にはそれぞれの呼び名が存在するが、14日にフロリダ州パークランドで発生した銃撃事件直後から、アメリカの国内メディアは現在高校や大学に通う世代を「マス・シューティング・ジェネレーション」と呼び始めた。日本語に訳すと、「無差別銃撃世代」といったニュアンスだ。この呼び名が誕生した背景には、今年に入ってから全米の学校で発生した銃撃事件が例年の同じ時期よりも多く、学校で発生する銃撃事件がもはや珍しくなくなったという事実が存在する。