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ポスト・ビッグデータ時代の経営

自動運転時代にカギを握る
技術の階層構造とは

KPMGコンサルティング
【第4回】 2018年3月14日
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IoTセンシングに必要なアーキテクチャ

 多くの「モノ」がネットワークにつながることは、センサ同士がネットワークを介して繋がるということです。当然、処理しなければならないデータ量も比例して増加していくことになります。これまでは、インターネットにつながっていないことによるデータの不足が課題として認識されてきました。今後はつながりすぎていること、つまりデータの過剰が課題になっていくことも考えられます。

 また、データ転送による遅延も大きな課題となります。こうした課題の解決には「モノのそばでデータを処理する」ことが最もシンプルな方法です。その場合に必要なのは、「分散―自律―協調」の仕組みです。

 「分散―自律―協調」に必要なアーキテクチャは、階層構造をとります。現在進められているIoTの導入は、センサとクラウド環境の2層構造で構築されているものが多いですが、すべてのデータをクラウド環境に集約すると、処理が集中してしまい、性能上のボトルネックが発生してしまうことが懸念されます。扱うデータが増加するほど性能上の懸念が顕在化する可能性は高くなります。

 これを防ぐためには、中間層を取り入れ、3層構造にすることが有効です。

出典:KPMGコンサルティング

 ここで各層を説明しますと、実際にセンサを配置する層をデバイス層と呼ぶことにします。デバイス層ではセンサでのデータ取得と上位層から来た命令の実行を行います。中間層ではデバイス層のセンサで取得したデータをもとにルールベースでの判断を行い、デバイス層に命令を出します。ここをエッジ層と呼ぶことにします。エッジ層はデバイス層とデータや命令のやり取りだけでなく、全体としての判断に必要なデータを上位層に送信します。

 最上位の層をクラウド層と呼ぶことします。ここでは、各エッジ層から送信されたデータをAIや人間が総合的に判断し、全体最適化のための命令を出します。このように3層構造をとることで、データの過剰やデータ転送の遅延といったデメリットを最小限にすることができます。

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「ビッグデータ」が活用され始めた企業の現場で「ハードウェア資源不足に対する危機感」が問題となりつつある。この潮目の変化にいち早く気づいたコンサルタントが、「ビッグデータ時代の終焉」と「ポスト・ビッグデータ時代」の経営の要点を明らかにする。

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