要約本文

【必読ポイント!】
◆今、君たちに伝えたいこと
◇84年の人生を通じて確信した、この世の真理

 心の中に抱く「思い」は、人の運命を作る。多くの人々は「考える」ことが大切だと信じ、「思う」ことは蔑ろにしている。「思いつき」と言うように、思うだけなら誰でもできると考えられがちだ。しかし、「思う」ことの大切さは「考える」ことの比ではない。私たちが生きていく中で「思い」に勝る力は存在しない、そう感じるほどである。

 では、具体的に「思い」というものが人生にどれほど大きな影響を与えるのか。「思い」はふたつの側面から理解することができる。

 一つは、私たちの人間性、人柄、人格は「思い」によって作られているということ。たとえば、利己的な「思い」を持ち続けている人は自分勝手な人間性の人になり、一方で優しくて思いやりのある「思い」を持ち続けるのなら、そのような人間性を備えた人になれる。

 そしてもう一つ。「思い」は人間性に影響するだけでなく、人の運命まで形成する。今、目の前にある境遇や環境というのは、他でもない自分の「思い」が作ったものだということだ。たとえ、今置かれた環境がどれだけ不運で不幸だと感じようとも、それは他人のせいではないのはもとより、自然がそうさせたものでもない。他ならぬ、自分自身が心に持ち続けた「思い」が蓄積してできあがったものである。

「思い」にこれほどの影響力があるとは、多くの現代人は信じてはいない。しかし、信じる信じないにかかわらず、自分の人生も、人間関係も、地域社会とのかかわりも、全てこの「思い」によって作られる。人が生きていく上で「思い」は何よりも大切だ。

◇心の庭を手入れしなければならない

「思い」というものは人間の心から生まれる。人間の心というのは、「自分さえ良ければいい」という利己的な心と「他の人々を助けてあげたい」という利他的な心、この2つから成り立っている。重要なのは、2つの心のうちどちらの割合が大きいかという点だ。

 これついて、イギリスの啓蒙思想家ジェームズ・アレンは心を庭に例えてこのように説く。「優れた園芸家は、庭を耕し、雑草を取り除き、美しい草花の種を蒔き、それを育み続けます」。

 つまり、利他的な心を養いたいと思うのであれば、絶え間ない「心の手入れ」が必要だということである。これを、まるで雑草が伸びっ放しの庭を放置するように心の手入れを怠れば、それに従うような人間性や人格が培われる。そして、そのような人間のもとには、それに相応しいだけの困難が次々と訪れるだろう。

 片や、美しい心を持ち続けるのであれば、すばらしい人間性、人柄、人格を自分が手にすることができるだけでなく、それに合ったように良い出来事が起きるようになる。心から幸せだと思える理想的な環境は、他でもない「思い」が作り出す。「思い」はそれほど大きな力を持っている。

 したがって、一生懸命勉学や仕事に精を出すのはもちろんのこと、心の手入れや整理はそれにも増して気にかけて施すことが肝心だ。「自分さえよければ良い」という利己的な心をできるかぎり抑えるべく、利他の心の庭を手入れしなければならない。