また、日本にとってきわめて重要な拉致問題が置き去りにされるのではないかとの懸念も表明されている。

 しかし、六者協議の合意でも日朝国交正常化はピョンヤン宣言に基づいて行われることになっている。

 拉致問題の解決なしに正常化を行うことはない以上、もし米朝首脳会談が成功し、核放棄のプロセスができていけば、拉致問題にとっても前向きな動きが期待できる。

 このようなことを考えると、日本はあまり焦って日朝首脳会談を求めるといった動きをするより、ここは北朝鮮の非核化のための首脳会談の成功に向けて、米国、韓国と緊密に協議していくことに全力を尽くすべきなのだろう。

決裂のリスクも大きい
北朝鮮の専門家いないトランプ政権

 首脳会談には相当緻密な準備が必要となるが、トランプ政権には現在、朝鮮半島を知り、これまでの経緯にも詳しい専門家がいないことも、大きな懸念材料であり、会談を失敗に終わらせかねないリスクだ。

 外交交渉の主体となるべき国務省が長官や主要スタッフを欠き、空洞化しつつある。

 ティラーソン国務長官は3月31日に退任するが、後任のポンぺオCIA長官も上院の承認を経なければ国務長官としての活動はできない。

 次官や次官補さらには北朝鮮問題担当大使や駐韓国大使も空席のままだ。

 このような状況では、北朝鮮とだけではなく関係国との実務的協議もままならないということになってしまう。

 ホワイトハウスや国防総省、とりわけマティス国防長官やマクマスター国家安全保障担当補佐官と言った元軍人が政策決定の主要な役割を果たすと言うことだろうか。

 ところがマクマスター補佐官についても解任のうわさが駆け巡っている。