ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

気鋭のフューチャリストが語る
破壊的技術革新の時代のマネジメントとは

堀田栄治
【第91回】 2018年4月9日
著者・コラム紹介バックナンバー
previous page
4

AI時代に求められるリーダーとは
日本企業が勝ち抜く方法はあるか

――「スマートマシンの時代に、人々はどうスマートになるべきか?」でという問いに対しては、未来のリーダーは、「アルゴリズミック・リーダー」であるべきと指摘されました。改めて、アルゴリズミック・リーダーとは何か、どのような資質を兼ね備えた人材なのかを伺います。

 データ主導型の意思決定を行う企業文化が根づいたアルゴリズム的な組織には、「アルゴリズミック・リーダー」が不可欠です。アルゴリズミック・リーダーには2つの要件が求められます。1つは人間の複雑性を理解すること。もう1つはテクノロジーや計算論的思考で問題を解決するアプローチをとることができることです。もちろん、それはトレーニングで身につけることも可能です。

――現時点で日本にアルゴリズミック・リーダーはいますか。

 多くのリーダーが、将来のアルゴリズミック・リーダーになれるような属性をすでに持っています。たとえば孫正義氏は、ビジョンもあり、未来の顧客を理解しているという意味では、アルゴリズミック・リーダーの一面を備えています。アマゾンのジェフ・ベゾスは、人間性とテクノロジーの理解を持って、意思決定の文化を再定義しました。アップルのアンジェラ・アーレンツ(小売担当上級副社長)は、ユーザー体験のデザインに人間性を取り込んで成功しました。アリババのジャック・マーもそうですが、素晴らしいリーダーはたくさんいます。

――ウォルシュさんは過去20年にわたり日本企業と交流があり、日本文化にも造詣が深いとのことですが、現在の日本企業、日本経済は、グローバルに比較して、どのような優位性があるとお考えですか。また、日本企業がAIの時代に勝ち抜くにはどうしたらいいか、アドバイスをお願いします。

 新しい時代に向けて、自分たちを再定義、再発明できるようなユニークな機会を日本のリーダーはすでに持っていると思います。たとえば、ロボット工学に関する知識は非常に豊富です。製造業におけるインダストリアルIoT、センサーの活用については依然として高い優位性を持っています。そして、忘れてならないのが、世界で一番洗練された消費文化があることです。あらゆるシーズ(種)はそろっていますから、あとはそれらを利用して、企業文化を変革していくことです。

 日本の大企業にはキャッシュリッチ企業も多く存在します。過去の収益を温存するだけなく、いかにそれを将来のために使う勇気が持てるかどうかだと思います。

――将来のための一番いいお金の使い方は何ですか。

 グローバル市場で戦うには、日本企業とはいえ、グローバルから広く大量にデータを集めてくる必要があります。そのためのプラットフォームやアプリケーションの開発に投資をすべきです。規模を制する投資ができるかどうかが試されています。

(聞き手/堀田栄治)

previous page
4
IT&ビジネス
クチコミ・コメント

facebookもチェック

IT insight

情報家電、インターネット、ソーシャルメディア、携帯電話など、ITツールの最新情報に加え、激動の市場を勝ち抜くIT企業の戦略、ITを駆使した新しい企業経営の姿などを伝える。ITエグゼクティブや編集部の視点から、ITビジネスの最前線を徹底分析する。

「IT insight」

⇒バックナンバー一覧