セブン-イレブン出身者が取締役を独占、セブン&アイHDに漂う不安

セブン&アイ・ホールディングスが、2018年度から社内取締役のうち8人のうち7人をセブン-イレブン出身者で固めることを取締役会で決議した。だが、この人事には不安と危うさが漂っている。(ダイヤモンド・オンライン編集部 田島靖久)

井阪社長が導入した定年制で
安斎、大高両取締役が退任

「これでは、セブン&アイ・ホールディングスから、セブン-イレブン・ホールディングスに名前を変えた方がいいのかもしれませんね」

 4月5日、セブン&アイ・ホールディングスの取締役会で決議した「役員の異動」を見て、セブン&アイ関係者はこう語った。

 その中身は、2017年度に9人だった社内取締役のうち、セブン銀行会長の会長を兼務する安斎隆氏と、グループ傘下のヨークベニマル会長を兼務する大高善興氏の2人が退任。代わりに執行役員人事企画本部長を務めていた永松文彦氏が、取締役に昇格するというもの。

 今回、退任する2人は、セブン&アイがホールディングス(持ち株会社)に移行した2005年からの取締役。だが、“中興の祖”である鈴木敏文氏(現名誉顧問)の電撃退任の後を受けて、16年に就任した井阪隆一社長が決めた「定年規定」によって、70代の2人が“引導”を渡された形だ。