アスリートにも「働き方改革」は必要だ
36歳で北京五輪の銅メダリストとなった陸上の朝原宣治氏。そのキャリアはビジネスパーソンの「働き方」にとっても大いに参考になるものだ

36歳で北京五輪4×100mリレーの銅メダリストとなった朝原宣治氏。なんと一時期は、競技人生をフェードアウトさせていこうと考えて大学院に通っていたという。また、ケガをきっかけにトレーニング時間を減らしたことで、かえって成果をあげる練習方法にたどり着くことができたという。ビジネスキャリアにも通じるアスリートの仕事と競技の両立について、小室淑恵・ワーク・ライフバランス社長との対談を通じて、起伏に富んだ自らのキャリアを振り返る。(まとめ/アスラン編集スタジオ 渡辺稔大、撮影/内藤洋司)

練習しすぎると逆に
トレーニング量が減ってしまう

小室 北京オリンピックの銅メダリストである朝原さんに、今日はスポーツの世界から見た働き方や、スポーツと仕事の両立、シナジー効果などについてたくさんおうかがいしたいと思います。早速ですが、スポーツを通じて得たものの中で、ビジネスパーソンにも共通すると感じられることは何ですか。

朝原 期限から逆算して動くというのは、ビジネスも一緒だと思うんです。オリンピックで言うと、出場するための選考会がありますよね。選考会に出ようと思ったら、参加標準記録を切らなければならない。そうなると、この時期までに記録を出しておかないといけないとか、常に逆算してトレーニングするわけです。

小室 企業で言う予算達成の中間目標みたいものがあるんですね。成果が出るマネジメントの仕方をどうやって体得されたのでしょうか。

朝原 若いときはやっぱりがむしゃらに練習してしまうので、効率が悪かったですね。ただ、若いときは回復も早いんです。しかし徐々に年齢を重ねてくると、自分の体とトレーニングの関連性がわかってきて、「これくらいやるのが一番いい」とか「この時期にこういうトレーニングをしたほうがいい」ということがわかってくる。