競争力に疑問符が付き始めている第一生命グループの健康増進型保険。その原因を探ってみると、大手生保で唯一、株式会社形態を採ることの弱みが見えてくる。(「週刊ダイヤモンド」編集部 中村正毅)

 今から8年前の2010年4月、相互会社から株式会社に転換し、東証1部に上場した第一生命グループ。

 当時は、運用利回りが契約者に約束した利回り(予定利率)を下回ってしまう「逆ざや」もあって、通期の連結純利益が200億円にも届かないような状態だった。

 しかし、それ以降は国内の景気回復の波に乗りながら利益を伸ばし続け、17年度予想で連結純利益は3500億円を超えるほどまでに成長している。

 グループ会社の米中堅生保のプロテクティブが、米国の法人税減税で大幅増益といった一時的要因が純利益を押し上げている側面があるものの、株主還元の原資分となる最終利益(グループ修正利益)ベースで見ても増益の見込みで、業績は至って堅調だ(表(1))。

 生保業界のガリバーこと日本生命保険がここ数年、銀行窓販や海外生保の買収といった波に乗り遅れて業績が伸び悩む中、一時はトップライン(保険料等収入)で日生を抜き去るなど、第一はこれまできれいな成長軌道を描いてきたといえる。