今月8日からカナダのシャルルボワで開催されたG7サミット(主要7ヵ国首脳会議)は、保護主義的な動きを強める米国と残る6ヵ国との溝を浮き彫りにした。
トランプ大統領は「長い間、米国は他国に(不公正な)貿易でぼったくられてきた」との「持論」を崩さなかったばかりか、クリミア統合を受けて、G7が総意で会合から排除したロシアを「復帰させるべきだ」と述べたり、米朝首脳会談の方が重要だと言わんばかりに閉会前にさっさと退席したりと、その傍若無人な「独裁者」ぶりが遺憾なく発揮された会合になった。
「米国の孤立」は深まったように見える。だが圧倒的な経済・金融力と軍事力を背景に、米国の「単独行動」は変わることはなさそうだ。超大国の「自国第一主義」が世界に及ぼす「トランプリスク」は、大統領就任直後から指摘されてきたが、まだ“過小評価”なのかもしれない。
「米国第一」に亀裂広がる
「G6プラス1」の対立
G7サミットの前哨戦として5月末にカナダのリゾート・ウィスラーで開催されたG7財務相・中銀総裁会議でも激論が交わされた。