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デジタル大変革時代 部品メーカーの生きる道

部品メーカーの未来を担う事業を
生み出す組織の作り方

PwCコンサルティング
【第2回】 2018年7月2日
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起業家と企業内新規事業者の役割
 一方、起業家や企業内新規事業者の主な役割は、新規事業を企画・立ち上げ、軌道に乗せることだ。先程も述べたが、場合によっては世の中に存在しない事業を創造することにもなるため、ボトルネックとなるような既存の常識に囚われずに行動するようなスタンスが時には必要となる。

 また、起業家や企業内新規事業者は、0から1を生み出す上で必須となる、「好奇心」や「情熱・野心」が旺盛である必要がある。そしてリスクを取ることを恐れず、周囲の反対や抵抗に屈しない強さが求められる。周囲の関係者を巻き込み、ビジョンを熱く語って道筋を分かりやすく示し、最後まで新規事業開発をやり抜く遂行力が必要だ。

起業家と企業内新規事業者の違い
 次に、起業家と企業内新規事業者の比較だが、この二者の大きな違いは、新規事業を新たな企業を創業して行うか、既存の企業の中で行うかにある。一般的に、創業して新規事業を行う場合は、創業メンバーが出資した資金や社外の投資家、銀行などから調達した資金などを元手にする。一方、既存の企業の中で新規事業を行う場合は、その企業の経営資源を元手にする。そのため、企業内新規事業者は、起業家と比較して、社内関係者との協調関係の構築や、上層部への政治的な取り計らいが重要になる。

 既存の企業で新規事業を行う場合、既にその企業を支える大きな売上・利益を稼ぐ既存事業があり、その隣で新たに一から事業を立ち上げなければならないが、短期間で既存事業と同じ規模の売上や利益を獲得するのは不可能だ。

 創業期を知っている経営層の場合は、新規事業がどのようなものかを肌身で感じているため、比較的、新規事業に対して積極的な判断をしてくれることが多いが、既存事業しか経験したことがない経営者や、経営者が管理部門出身である場合は、新規事業と既存事業の違いや、新規事業の難しさを本質的に理解していないケースもある。このような上層部に対して、新規事業開発に必要な意思決定を打診しなければならず、企業内新規事業者には、起業家とは違った資質やスキル要件が求められる。

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日本のモノづくりを支えてきた部品メーカーが、デジタル大変革時代に岐路に立たされている。これまでの製品メーカーからの発注を待つ受け身の姿勢を変え、自ら未来を想像する発想の転換と実行態勢の構築が求められるが、具体的な方法論が見いだせない。この状況を打破するためのヒントを提供する。

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