◇楽しく働けないカイシャは弱っていく
◇これからのカイシャで起こること

「量」よりも「質」が重視されるようになっている昨今、組織に求められる成果も、質の勝負になりつつある。そこで必要なのは、ニーズの多様化に応えるための差別化戦略や独自のこだわり、そしてアイデアである。これらは、多様な個性から生まれる。つまり、カイシャにおいて多様な個性が重んじられる時代になるのである。

 多様な個性が重視されるようになると、年功序列ではなく、個性に応じて給与が決まるようにならなければならない。今後は、プロ野球選手のように、その人のスキルが業界の中でどのくらい評価されるのかに沿って、つまり「市場性」が重視されて給料が決まるようになるだろう。

 また、「自分の労働力の60パーセントをA社に提供し、残り40パーセントをB社に提供する」といったように、自分のスキルを複数のカイシャに切り売りできるようになっていくだろう。少子高齢化に伴って人手不足が深刻になっている日本では、フルタイムで働けない人でも採用される時代になりつつあるのだ。フルタイムで働く人しか採用できないカイシャは、労働力が不足し、事業を縮小せざるを得なくなるだろう。

◇「すごい雇用」をするカイシャが生き残る

 どこのカイシャからも求められる「優秀」な人を採用するのは、リスクが少ない「すごくない雇用」だ。

 それに対して「すごい雇用」とは、フルタイムでは働けない人や在宅勤務しかできない人など、制限が多い人を採用するものだ。こういった「採用するのに勇気がいる人」に活躍してもらうには、一人ひとりの個性に注目しなければならないだけでなく、それを生かすための戦略が必要となる。そのため、「すごい雇用」には高いマネジメント力が求められるが、「すごい雇用」を実現するカイシャが増えていけば、楽しく働くことができる人もまた増えると言えるだろう。

 今までは、カイシャにとって、つまり代表にとって都合のいい「優秀」な人だけが雇用され、女性や高齢者、障害者などは積極的に雇用されてこなかった。しかし、少子高齢化により、今までと同様の「すごくない雇用」を続けるカイシャは、人手不足に陥ることになる。