以前からあったNISA(少額投資非課税制度)も、iDeCoと同様、運用利回りに税金がかからなくなるしくみでしたが、これは非課税期間が5年に限られており、長期投資を前提とした設計にはなっていませんでした。
その点をクリアすべく誕生したのがつみたてNISAです。こちらは非課税期間が20年に設定されており、「何もしない」派の資産運用に最適化されています。
ただし、同じ人でNISAとつみたてNISAの併用はできないルールなので、1年ごとにどちらかを選ぶかたちになります。
また、つみたてNISAで運用できるのは、政府が提示した条件を満たした商品に限られています。その条件は「購入手数料を課さない(ノーロード)」「毎月分配金を出さない」「償還日までの期間は20年以上」「信託報酬が一定以下」など、「何もしないでお金を増やしたい人」のための条件に、ほぼ重なるものとなっています(アクティブ投信もリストに混在していますが、手数料が高いのですぐ見分けがつくと思います)。
つみたてNISAは、かなり消費者の立場に寄り添った制度設計だと言えるでしょう。
とはいえ、欠点がないわけではありません。
NISAでは120万円だった年間の積立上限額が、つみたてNISAでは40万円と少なくなります。しかも、積立型の長期投資では不可欠な「分配金の再投資」「リバランス」「アロケーション調整」のための購入分も、この40万円の非課税枠にカウントされるようになっているため、場合によってはそれだけで非課税枠を使い切ってしまいかねないのです。