裁量労働とテレワークに見る
これだけの個人差

 人にはそれぞれ、意欲が高まりやすい要素がある。私はこれを「モチベーションファクター」と名付け、6つに分類した。

 チャレンジすることを好み、達成感を味わうことで意欲が高まる人を目標達成型のモチベーションファクターの人と呼ぶ。一方、公私のバランスを考えながら取り組む人は公私調和型だ。任されて仕事をするとがぜん意欲が高まる人は自律裁量型、周囲と協力しながら取り組むとやる気が高まる人は他者協調型だ。

 どのモチベーションファクターが良い悪いということはない。例えば、業績を上げるために、さまざまなチャレンジにより業績達成しようとする人、バランスを取りながら業績を上げる人、任されることで独自の手法を発揮し業績を上げる人、周囲と協力しながら業績を上げる人など、人それぞれが意欲的に取り組むことができる要素が違っているということなのだ。

 このモチベーションファクターは、本人の意欲を高めることに密接に関係しているので、これを意識したコミュニケーションを取ったり、本人のモチベーションファクターに沿った仕事をしてもらうことは、意欲を大いに高めることにつながり、ひいては業績にも大きく影響をする。

 例えば、6つのモチベーションファクターの中で正反対と言える「公私調和」タイプと「目標達成」タイプを例にとって見てみよう。

 下の図のように、時間労働制(残業手当の支給対象の人)、専門業務型裁量労働制、企画業務型裁量労働制、事業所外労働制、そして、高度プロフェッショナル制度を比較してみると、目標達成のモチベーションファクターが最も増大するのは「高プロ」、次に「事業所外労働」だと考えられる。一方、公私調和のモチベーションファクターは、「時間労働」で最も高まるだろう。

働き方改革しても生産性が上がらない企業に共通する特徴

 次に「自律裁量」のモチベーションファクターと、「他者協調」のモチベーションファクターの人をモデルに、働く場所について考察してみよう。オフィスの固定席、デスクのフリーアドレス、スポットのテレワーク、随時のテレワーク、常時のテレワークと言えるいわゆる在宅勤務で見てみると、自律裁量のモチベーションファクターは在宅勤務で最も高まるだろう。逆に、他者協調のモチベーションファクターは、オフィスの固定席での業務で最も高まると考えられる。

働き方改革しても生産性が上がらない企業に共通する特徴