「甲子園」は朝日が大嫌いなはずの
軍国主義そのもの

 今なら「またブーメランかよ」なんてお祭りになりそうだが、当時はまだ「従軍慰安婦」の問題もなく、そこまでアンチもいなかったので、朝日も超強気だった。

「甲子園とは話が違う」(同年4月2日)という社説をぶちまけ、「日の丸を美しいと思う心は、強制して育てるものではない」「現に起立も斉唱もしない観客はいるが、だからといって退場を求めることなどありえない」と猛反発。さらに、その10日後には「頂いた意見のほぼ6割は朝日社説を支持」と“勝利宣言”までしている。

 ただ、どういう言い訳を並べようとも、「甲子園」や「高校野球」というものが、「朝日新聞」が憎んでやまぬ「軍国主義」の影響を色濃く受けていることは疑いようがない。それは心ある朝日記者のみなさんもよくわかっている。

 たとえば、2008年8月27日の愛知県版では、高校野球の名門校の練習を見学しにきた米国の17歳の少年について報道し、わざわざ「軍隊みたいにきびきびしている」という少年の驚きのコメントを入れた。

 また、今年5月8日の記事では、「根性野球」の歴史を振り返り、1960年12月26日の紙面で、スポーツ記者らが座談会で、「四日間、五日間連投して肩がつぶれてもいいという気持ちでないと高校野球の魅力はなくなる」と語っていたことや、「学生野球の父」といわれた飛田穂州が、「ベースボールの神髄は?」と質問されて、「それは気魄(きはく)だ」(朝日新聞1964年3月2日)と即答したと紹介している。

「強制ではない」と言いながらも、無言の圧力で「丸刈り」に揃えられた子どもたちが、軍隊のような厳しい練習で追い込まれる「根性野球」を強いられ、その晴れの舞台では、「日の丸」を仰いで、君が代斉唱まで求められている。

 自分たちで主催をしていなければ、「軍国主義の復活だ」と噛み付いているのは間違いない。「栄冠は君に輝く」なんて美辞麗句で飾り立てて、世間の目をうまいことそらしてきたが、実は「夏の甲子園」というのは、「朝日新聞」という報道機関がはらんでいる「ダブルスタンダード」という致命的弱点を、これ以上ないほどわかりやすく体現したものなのだ。