アクティブ運用を任された運用機関は、勝ったり負けたりした結果、平均的な超過収益率が2%に及ばないとすると、GPIFは「高見の見物」をしながら、アクティブ運用のフィーを節約できることになりそうだ。

 他方、アクティブ運用機関が、フィーの構造に対して超合理的に行動することになると、そうはいかないかもしれない。

 アクティブ運用の超過リターンがプラスの場合には、フィーが青天井に比例的に増えて、ゼロないしマイナスの場合にはインデックス運用並みのフィーであるということになると、合理的な行動は「なるべく大きなアクティブ運用のリスクを取ること」になる。

 当たれば成功報酬が増えて、外れても命までは取られないばかりか、インデックスファンド並みのフィーはもらえるということなら、イチかバチか的に大きなアクティブリスクを取ることが明らかに得であろう。

 アクティブリスクの大胆なリスクテイクを際限なく許した場合、勝った運用機関には大きなフィーを払わなければならない一方で、大負けした運用機関にもインデックス運用並みのフィーを払うとなると、トータルでは超過収益がマイナスなのに、支払うフィーは以前よりも増えてしまったというようなケースがあり得る。

 もちろんGPIFは、個々の運用機関が取ろうとするリスクをモニターしてある程度はコントロールするだろうし、運用機関の側でも大きなマイナスリターンを出して「レッドカードで退場!」的な解約を受けるのは不利益で不名誉でもあるから、極端なリスクはなかなか取るまい。

 ただし、フィーの仕組みとして強化された成功報酬は、アクティブリスクの拡大を促す効果があるとはいえそうだ。GPIFの狙いは、アクティブ運用機関に、今よりももう少し大胆にリスクを取らせることにあるのかもしれない。

素人はまねしない方がいい

 アクティブ運用に強化された成功報酬が導入されて、個別の運用機関ごとの成否がより注目されるようになるのだろう。

 しかし、国民や年金加入者のような最終ユーザーにとってより大きな問題は、アクティブ運用の委託に当たって、GPIFのみに限らないが、年金スポンサーが有効に「目利き」の力を発揮できるか否かであり、加えて、その状況認識の下にアクティブ運用による委託を引き続き続けるかどうかの当否の方である。日経の記事に倣うなら年金スポンサーにこそ「試練」と説明責任を課するべきだ。