お盆休みで実家に帰省している人も多いはず。久しぶりに家族と顔を合わせるせっかくの機会、相続や不動産などお金にまつわる「実家の大問題」を家族で話し合ってみては?お盆企画の第6回は、実家が郊外のひと必見!郊外の空き家物件の上手な売り抜け方を紹介する。*本記事は『週刊ダイヤモンド』2016年8月13日号『どうする実家の大問題』から抜粋したものです。

 かつて憧れのマイホームが並んだ郊外の住宅地は今や、空き家の温床だ。築年数がたてばたつほど売却価格も下がっていく。スムーズに売却を行うためにはどうすればいいのか。

 空き家となった実家を相続し、しばらくした後に売却する──。思い出の詰まった実家故に、苦渋の決断となるが、空き家を維持する手間や費用に加え、近隣に迷惑を掛けてしまう可能性を考えれば、売却するのが最も手っ取り早い方法だ。

 もっとも、人生において住宅を売却することはそうあることではない。ましてや、空き家ともなればなおさらだ。以下に、空き家の売却方法について見ていこう。

 まず、押さえておきたいのが、住宅の価格形成の構図だ。立地が住宅価格の大半を決めることは言うまでもないが、あらためて大都市と地方都市、都心と郊外の住宅価格を比較してみよう。表をご覧いただきたい。

 東京都港区と多摩地区にある東村山市、岡山県岡山市中区、津山市の住宅価格を比較したもので、一戸建て、マンション共に価格は大きく異なる。極端な例だが港区の価格はずばぬけており、東京一極集中の流れが顕著になっているといえよう。

 次に、地方都市の都心と郊外を比較してみよう。岡山市中区の中古の一戸建ての平均価格は2620万円で、津山市が1688万円と、その差は約1.5倍。マンションであれば、約1.8倍にまで差が広がり、地方都市でも都心の方が有利といえる。

 では、首都圏の郊外はどうか。東京都心から電車で約1時間の東村山市。西武新宿線の東村山駅から徒歩5分の物件と徒歩22分のバス利用の物件では、同じ3LDKの新築物件でも、価格に1000万円以上の差がついている。