――イラン問題になると、かつてのアザデガン油田の開発に対する中止要請のように、日本政府は米国政府から横やりを入れられます。しかし、今も原油の約98%を輸入に依存する日本は、エネルギー安全保障の観点から同じアジア圏に属すイランとは仲良くしておくべきではないですか。

1970年代の2度にわたる石油ショックで、国際的な競争力を失った三菱ガス化学は、資源に乏しい日本の化学メーカーとして最も早くサウジアラビアでの合弁事業に乗り出し、相対的に安い天然ガスを入手した。80年代前半から原料立地を考えていた
1970年代の2度にわたる石油ショックで、国際的な競争力を失った三菱ガス化学は、資源に乏しい日本の化学メーカーとして最も早くサウジアラビアでの合弁事業に乗り出し、相対的に安い天然ガスを入手した。80年代前半から原料立地を考えていた 写真提供:三菱ガス化学 天然ガス系化学品カンパニー 化成品事業部

 イランは、ロシアに次ぐ、世界第2位の天然ガス産出国です。

 しかし、当社の場合は、最初に関係ができてから約40年間、イランと敵対しているサウジアラビアと合弁事業を進めてきた。だから、イランは「サウジアラビアと喧嘩してまで行くのか」ということになってしまう。

 日本ではあまり知られていないですが、イランという国は40年近くも人口が右肩上がりで増え続けています。近年は、一人当たりの名目GDPも急激に伸びています。にもかかわらず、経済制裁などの影響により資源開発が進んでいない。地下には、膨大な量の天然ガスが眠っていることが分かっている。

 経営を預かる以上、私も頭の片隅では常にイランのことを考えていますが、なかなか難しいものがある。まずは、既存のビジネスを優先せざるを得ない。

知的財産権を侵害されても
今後は泣き寝入りをしない

――現在、中国政府が推進する「中国製造2025」(49年の中華人民共和国建国100周年までに世界トップの製造大国になるという大方針)は、中国に工場を建てて化学製品を生産している日本のメーカーにも影響があると思われます。急進的な中国の動きをどのように見ていますか。