ヒルトップの経営理念
「理解と寛容を以て人を育てる」

 人は、ひとりでは生きていけません。
 仕事も、ひとりではできません。
 社会も、会社も、自分とは違う「異質な人」との共存、融和がなければ成り立ちません。
 そのためには、周囲の人に対する「理解」と「寛容」が必要です。

★理解……他人の気持ちや立場を察すること。
★寛容……「包み込む(=包容力)」という概念のこと。相手の長所も短所も、成功も失敗もすべてひっくるめて受け止める。他人の失敗や欠点などを厳しく責め立てない。

 自社の社員だからといって、命令や強制によって人を動かす社長は、社員に対する理解と寛容が足りません。

 会社は、異質な人が集まる場所です。
 社員は一人ひとり、性別も、年齢も、国籍も、考え方も、得意・不得意も、能力も違います。

 人はみな異質であり、人はみな尊敬に値する。誰もがみな正しい。

 そのことがわかっていれば、「自分の正しさ」を相手に押しつけることはできないはずです。

「自分ができるから相手もできる」と考えるのは、思い上がりです。

 自分にはできることが、相手にはできないことがあります。

「できない」からといって、「なんで、こんなもんもできへんねん!」と相手を非難するのは、間違っています。

 仮に相手がミスをした場合でも、相手を論破する(ミスを認めさせる)のではなくて、相手の過ちを受け入れ、そのうえで、「この人のために、してあげられることは何か」を考える寛容さが必要です。

 パナソニックの創業者・松下幸之助さんは、著書『松下幸之助「一日一話」』(PHP研究所)の中で、

「『事業は人なり』と言われるが、これは全くその通りである。
どんな経営でも適切な人を得てはじめて発展していくものである」

 と述べています。私も同様に、

「事業(企業)は人がすべて。
人を育てない会社は、間違いなくつぶれる

 と考えています。

 会社は、「1にも2にも人材」です。

 仮に5年後に会社がなくなってしまったとしても、他の会社から「うちにきてほしい」と言ってもらえるような人材を育成するのが、当社の理想です。

 会社の屋台骨となる社員の成長なくして、会社の成長はありません。

 そして、日本企業がこれからの人材を育てていくには、相手を受け入れる「心の余裕」を持つ必要があると思います。