どんな政策を訴えれば勝てるか
普通の人の生活に役立つ投資を

 だから、「反安倍」陣営や野党は、こうした弱点を突いて、そうではない「人々」のための景気拡大策を打ち出せばよいのだ。

 詳しくは、私が仲間と研究会で作成したマニフェスト案を読んでほしいが、社会保障や教育などに政府支出をつぎ込み、もっと普通の人たちの生活に直接、貢献する部門を中心にお金を使うことでGDPを拡大し、雇用を確実にすることを訴えればよい。

 政府が福祉や介護、子育て支援や教育に金を使って、そこで働く人の数を増やしたり、給料が上がるようにしたりすれば、買う力(需要)も増えて、経済は回っていく。

 景気対策は必ずしも自民党的なやり方をしなくても、さまざまな方法があるのだ。また本来、成長と再分配政策は、お互い排他的な関係にあるのではなく、両立するものだ。

 野党には、経済や成長は「左派」の仕事ではないと思ってきたところがあるのではないか。

 だが景気が悪くなって、結局、苦しむのは普通の人々だ。人々や働き手の貧困などの問題に取り組み、物質的な豊かさを実現しようとするのも、「左派」には十分条件ではないにしても、「必要条件」なのだ。

「緊縮」的なことを叫んでいては、人々の心に刺さらないし、安倍自民党に勝つことはできない。

(立命館大教授 松尾 匡)