米国では薬物の過剰摂取による死者が急増しているが、その背景にあるのは医療用麻薬「オピオイド」だけではない。過剰摂取による死亡率は40年近く急激な成長曲線を描いている。メタンフェタミン、コカイン、その他の薬物など、全米で流行パターンに変化が見られるほか、さまざまな年齢層が関与している。連邦データの新たな分析で明らかになった。分析を行ったのは米ピッツバーグ大学公衆衛生大学院の研究者で、20日に米科学誌サイエンスに掲載された。それによると、ある薬物の使用が減少すると別の薬物の使用がその空白を埋めるように増加した。また、1つの地域である薬物1種類による死亡が頻発し、それがまた別の地域に移るというパターンが繰り返されていた。さらに、中年と20代の米国人では過剰摂取する薬物の種類が異なっていた。これは、米国人口動態統計の偶発的中毒死について分析した際に明らかになったという。