英蘭系食品・日用品大手ユニリーバは、オーストラリアで販売する即席スープのブランドを、中国市場で売れ筋トップの商品にしたいと考えている。だが北京で広告キャンペーンを展開する代わりに、シドニーで暮らす中国人の住民に無料サンプルを配っている。彼らが商品を購入し、中国の家族や友人、他の消費者に発送することを期待しているのだ。豪州に滞在する中国人バイヤーは「代購」と呼ばれる。学生や観光客が不定期に自国へ荷物を送っていたのが始まりだが、そのうちパートタイムやフルタイムで商品購入を代行する仕事へと発展した。高い利益マージンで荒稼ぎするバイヤーも多い。今やユニリーバのような企業は、直接「代購」に商品を売り込むようになった。中国国内に倉庫や配送網を持つ必要がなく、低コストの販売ルートとなるからだ。しかし、欧米の著名ブランドでさえ、中国では無名に近い企業も多く、成功が保証されているわけではない。代購や彼らの中国の顧客に対し、自社商品がいかに高品質で本物であるかを納得させる必要がある。